デベロッパー:Linux How-To

 Linuxをサーバとして利用するにはさまざまな情報が出回っているが、クライアントとして使うにはさまざまな問題点がある。そう思われている根源は、X Window上で実現される日本語の扱われ方だ。しかし、日本語版Linuxディストリビューションの日本語環境は大きく変化しており、WindowsからLinuxに乗り換えるなどと考えなくても、共存を考えてみる土壌が整いつつある。この製品レビューでは、レッドハットの「Do Office 2」を取り上げ、Red Hat Linux上でどの程度の文書作成環境が実現できるのかを紹介していこう。

●Do Office 2はRed Hat Linux 7.2とHancom Office 2.0Jの統合パッケージ

 ここで紹介するレッドハットの「Do Office 2」は、2002年6月14日現在、Red Hat Linux 7.2日本語版にオフィススイートソフトウェア「Hancom Office 2.0J」が同梱されているパッケージのことだ。すぐにオフィスアプリケーションが利用できるよう、OS(Red Hat Linux 7.2日本語版)自体も同梱されている。

 Hancom Office 2.0Jには、ワープロ、表計算、プレゼンテーション、ペイント、の4つのソフトが含まれており、Do Office 2のパッケージ内には、Red Hat Linux 7.2のCD-ROMとは別に同梱されている。順番にこれらのソフトの機能がどのようなものなのか、どの程度実用となるのかを検証していこう。そして、オフィスアプリケーションを語る上で見逃せないマイクロソフトのOfficeパッケージとの文書互換についても触れる。

  • Hancom Office 2.0J

  • リョービフォント

  • ダイナフォント

  • VJE Delta 3.0

  • 研究社新英和中辞典

 なお、Do Office 2として販売されていたパッケージ(Hancom Office 2.0J)は、Red Hat Linux 7.3日本語版(発売時期:6月、価格:29,800円)にも含まれる予定だ。掲載時期として遅れた感があるが、Hancom Office 2.0Jのレビューとしても参考にしていただきたい。

 Do Office 2には、前述したようにワープロ、表計算、プレゼンテーション、ペイントの各アプリケーションが含まれている。まず最初にそれぞれのソフトの特徴を紹介しておこう。

アプリケーション名

内容

Hancom Word 5.5

 独自形式ファイルの読み書き以外に、Microsoft Word文書、RTF形式ファイル、一太郎形式文書、Lotus 1-2-3形式ファイル、HTMLファイル、テキストファイルなどの読み書きがサポートされているワープロソフトだ。

 ワープロとしての機能は、表作成や数式の入力、図の挿入などはもちろん、Microsoft Wordに引けを取らない印象の完成度になっている。

 またHancom Word 5.5内から、研究社新英和辞典を呼び出して辞書検索することもできる

Hancom Sheet 2.0

 独自形式ファイルの読み書き以外に、Microsoft Excelワークシートファイルやタブ区切り・カンマ区切りテキストファイルの読み書きもサポートされている表計算ソフトだ。もちろんマクロや関数、グラフなどの機能も備わっている

Hancom Presenter 2.0

 プレゼンテーションソフト。独自のファイルの読み書き以外に、Microsoft PowerPointやテキストファイルの読み書きが可能だ。グラフの挿入などのほか、アニメーションやサウンドの挿入機能にも対応されている

Hancom Painter 2.0

 ペイント系のグラフィックソフトだ。GIF、JPEG、BMP、XB<、XPM、PNG、PBM、PGM、PCM、PCXといった各種ファイル形式に対応されている。

 レイヤー機能を備えており、画像の重ね合わせやボカシ、シャープなどの効果も実現可能だ。多彩なエフェクト機能を持っているため、デジタルカメラなどで取り込んだ画像の修正などにも利用できる。また、GIF形式ファイルの場合にはアニメーションGIFを読み書きすることも可能だ


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