メールシステムを理解することが 安全性確保の第1歩だ |
●電子メールは安全か?
メールサービスは個人間でやりとりが行われるためか,比較的安全なイメージを持っているユーザーは多いようだ。データ自体は目には見えないため,データが盗まれたり改ざんされるといった事態を想像しにくいのかもしれない。
しかし,メールが封書のような,第三者が見ることのできない,安全なものではないことは覚えておこう。普段手紙を送る際に「ハガキと封書は同じもの」と考えているだろうか?ハガキは「中身を見られてもかまわない内容」,封書は「中身を見られたくない内容」というのが普通の考え方かと思う。それは,ハガキであれば,第三者に内容を見られてしまう可能性もあるが,封書は開封しない限り読まれることはないからだ。ただし,メールはハガキと同様に,送信した段階で郵便配達員(サーバ管理者)などに見られてしまう可能性もある通信手段なのだ。見られてしまう相手が信頼できる第三者ならよいが,クラッカーなどの悪意を持つユーザーなど,信頼できないない場合ももちろん存在する。
より安全にメールを送受信するには,「封書でメールを送る」こと,すなわち「暗号化」が大切になる。メールの暗号化については機会を改めて解説する予定だ。
●メールサービスの概要を知る
では,まず始めに自分が作成したメールをハガキに例えて考えてみよう。
【送り手】:ハガキに相手の住所と名前を記入してポストに投函する→相手に届く【受け手】:知人が自分宛にハガキを送った→自分の郵便ポストにハガキを取りに行く
これを電子メールに当てはめてみると,
【送信】:相手の住所氏名=メールアドレス,ポストに投函→SMTPサーバによるメール送信
【受信】:自分の郵便ポストにハガキを取りに行く
→POPサーバによるメール受信
ということになる。
ここで出てくる「SMTP」や「POP」とは,インターネットで利用されている送受信の仕組み(プロトコル)を指している。メールソフトの設定時には,プロバイダ契約時に与えられたメールアドレスと一緒に,「SMTP」や「POP」などの項目を入力しているはずだ。
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