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Chapter 3:データストア層の構築

head1.gif 3.3 MSDEを使ったデータベーステーブルの作成

 では,Table 3-23Table 3-30に示したデータベーステーブルを作成してゆくことにする。

head2.gif 3.3.1 MSDEとは
 サンプルのビジネスアプリケーションでは,データベースエンジンとしてMSDEを使う。ここで,MSDEについて簡単に説明しておこう。

 MSDEは,SQL Server 7.0と完全互換のデータベースエンジンであり,Office 2000 Developerに添付されている。また,Visual Studioのユーザー(Professional Edition以上,Visual Basic,Visual C++,Visual InterDevといった単体製品でも可)であれば,Microsoft社のMSDEのページ(http://www.microsoft.com/japan/developer/vstudio/msde/)からダウンロードするか,もしくはCD-ROMを実費で郵送してもらうことで,MSDEを入手できる。MSDEは,Office 2000 DeveloperおよびVisual Studioを使って自ら開発した製品とともに,無償で再配布できることになっている。

 SQL Server 7.0との違いは,次の点にある。

1) 最大データベースサイズ
 扱うことができる1つのデータベースのサイズが,2Gバイトまでに制限されている(実データだけでなく,トランザクションログ用の領域も含む)。
2) ユーザーインタフェースがない
 ユーザーインタフェースが用意されていない。そのため,データベースを作成したりテーブルを操作したりする場合には,(a) SQL Server 7.0に付属のツール,(b) Access 2000,(c) Visual Studioで独自開発したテーブル操作プログラム,などユーザーインタフェースとなるプログラムが必要となる。
3) 同時アクセス制限
 同時アクセスの制限はない。ただし,同時接続数が5ユーザーを超えるとパフォーマンスが低下するので,多くの同時アクセスが見込まれる環境では,MSDEではなくSQL Server 7.0を利用すべきである。
 なお,MSDEの接続にあたってClient Access License(CAL)は不要である(ただし,SQL Serverと同時使用する場合には必要となる)。
4) 動作環境
 Windows 95,Windows 98,Windows NT,Windows 2000で動作する。インストール時にハードディスクが50Mバイト強必要である。
5) その他
 OLAPサービス,フルテキストサーチ,パラレルクエリー,マルチサーバー管理は利用できない。

 結局のところ,大規模なシステムであれば,MSDEではなくSQL Server 7.0を利用すべきである。小中規模のシステムで同時接続数も少なければ,MSDEを利用することができる。

 MSDEはSQL Server 7.0と完全な互換性を有するので,最初はMSDEで運用し,あとからSQL Server 7.0にアップサイジングすることも可能である。

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