この特集のトップページへ
Chapter 4:データストア層の構築



  COLUMN   COM+の管理セキュリティ

 COM+自身のセキュリティも,ロールによって設定される。COM+のシステムサービスは,[コンポーネントサービス]管理ツールから[System Application]として見える。

 [System Application]は,COM+を管理するためのCOMコンポーネントの集合である。[コンポーネントサービス]などのCOM+管理ツールは,実際には[System Application]というCOM+アプリケーションを使って,COM+を管理しているのである。もちろん,開発者が[System Application]に登録されているCOMコンポーネントを利用してCOM+アプリケーションを管理することもできるが,これについては連載の最後で説明する。

 [System Application]というCOM+アプリケーションは,ロールによるセキュリティの設定が有効になっている。このCOM+アプリケーションのすべての機能を利用できるのは,Administratorというロールに属するユーザーだけである。デフォルトでは,ローカルコンピュータのAdministratorsグループがAdministratorロールに所属しているが,これを変更することもできる(Fig.4-35)。たとえば,Administratorロールに特定のユーザーを追加すれば,そのユーザーがAdministratorsグループに属していなくても,COM+を管理できるようになる。

Fig.4-35 System Application
fig4_35.gif

 また,[System Application]にはReaderというロールも用意されている。このロールは,COM+で管理されているCOM+アプリケーションを参照するためのものである。デフォルトではEveryoneグループが割り当てられているが,COM+で管理されているCOM+アプリケーションを特定のユーザーにしか見せないようにすることもできる。

 さらに,COM+アプリケーションを起動できるかどうかを決めるAny ApplicationロールとServer Applicationロールも存在する。前者はすべてのCOM+アプリケーションを起動できるロール,後者は[アクティブ化の種類]が[サーバーアプリケーション]に設定されたCOM+アプリケーションのみを起動できるロールである(「4.2.2 COM+カタログへの登録」)。デフォルトでは,両者ともにEveryoneグループが割り当てられているが,特定のユーザーや特定のグループのみを所属させることもできる。そのように設定を変更すれば,一部のユーザーに対してCOM+アプリケーションの利用を許さないという制限を課すことができる。

prevpg.gif Chapter 4 11/16 nextpg.gif