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Chapter 5:ビジネスロジック層の構築

5.4.1 トランザクション機能の設定
●[使用不可]と[未サポート]の違い
 まずは,[使用不可]と[未サポート]の違いから説明する。どちらも似通っているが,根本的な違いがある。それは,[使用不可]の場合にはCOM+のトランザクション機構が無効になるが,[未サポート]の場合にはCOM+のトランザクション機構が有効であっても何もしないという点である。

 [使用不可]の場合,COM+はトランザクションについて何も操作をしない。そのため,COM+で提供される以外のトランザクション機構を,開発者が自らCOMコンポーネントに実装してしまうことも可能である。いい換えれば,[使用不可]という設定は,「このCOMコンポーネントは独自のトランザクション処理をするからCOM+はそのトランザクション処理を邪魔しないでほしい」と告げることを意味する。一方[未サポート]では,COM+のトランザクション機構は有効にはなるが,トランザクションには参加しないことを意味する。

 一般的には,トランザクションをサポートしないCOMコンポーネントであれば,[未サポート]を選択するようにする。[未サポート]は,COMコンポーネントをCOM+カタログに登録したときのデフォルト値である。


One Point!ただし,COM+カタログに登録したときのトランザクション設定のデフォルト値は,Visual BasicにおいてクラスモジュールのMTSTransactionModeプロパティの値で変更することができる。

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