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Chapter 6:ビジネスロジックの設計
6.1.4 Visual Basicにおけるプロジェクトファイル
次節から,実際にビジネスロジックの実装を開始するが,そのまえに簡単にVisual Basicにおけるプロジェクトファイルについて補足説明をしておく。
このサンプルアプリケーションでは,「Business.〜」(Table 6-2)と「DataObj.〜」(Table 6-3)という2つのCOMコンポーネントを実装することになる。「Chapter 2 Component Object Model」でも説明したように,Visual BasicでCOMコンポーネントを作る場合,ピリオドからまえの部分はプロジェクト名に対応する。よって,Business.〜コンポーネントとDataObj.〜コンポーネントを実装するためには,BusinessプロジェクトとDataObjプロジェクトという2つのプロジェクトファイルを作成しなければならない。
本稿では,BusinessプロジェクトとDataObjプロジェクトの実装を並行して進めてゆくが,実際の開発作業で両者を平行して進めることはまずない。一般的には,全体的にどのCOMコンポーネントにどのようなメソッドが必要なのかをあらかじめ設計し(この作業はSEが担当),それを元に分担して各COMコンポーネントを実装する(この作業はプログラマが担当)ことになるだろう。
しかし,正しく設計するためには,COM+全般の知識をあらかじめ知っておくことが必要となる。そうしないと,COM+には不適切な設計になってしまい,実装が困難になることもあるからだ。本稿の目的はCOM+の技術解説であるから,読者はCOM+についてはあまり詳しくはないことを前提としている。そのため,「まず設計し,そのあと実装する」という順番で説明してしまうと,いささかわかりづらくなってしまうと思われる。そこで,本稿中では設計しながら順次実装を進める方法を採用する。現実の開発現場では,本稿で解説しているような手順をそのまま適用することは難しい。この点を,あらかじめご了承いただきたい。
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