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Chapter 7:名前解決方法の選択 〜最適な名前解決方法の探索〜

7.2.2 インターネットに接続する予定がある場合
 現在はインターネットに接続していないが,今後インターネットに接続する予定がある場合は,使用するドメイン名をどのように設定するかを考慮する必要がある。現在はインターネットに接続していないため,まだ正式なドメイン名は取得していないことになる。しかし,ドメイン名を決定し,DNSを設定しなければ,Active Directoryを導入することはできない。したがって,将来インターネットに接続する予定がある場合は,取得する予定であるドメイン名を使用するか,まったく関係ないドメイン名を使用することになる。

 まったく関係ないドメイン名を使用した場合,あとからドメイン名を変更することは困難なので注意してほしい。Microsoft社のサポート情報(Q195242)によると,ドメインコントローラのコンピュータ名やドメイン名は変更できないため,ドメインの構成を保持したまま別のドメイン名に移行することはできない。なお,ディレクトリの構造を移行することはできないが,ユーザーやグループだけは保持することができる。Windows 2000への移行を行うためのツールであるClonePrincipalを使用すると,Windows NT 4.0やWindows 2000をソースとし,ユーザーやグループをWindows 2000のドメインに移行することができる。

 将来取得する予定のドメイン名を使用する場合は,特に問題は発生しない。ただし,インターネットではドメイン名の重複が許されないため,予定しているドメイン名を,ほかの組織や個人が取得してしまった場合は,そのドメイン名を使用できなくなる。

 まったく関係ないドメイン名を使用し,インターネットに接続したあとも内部で使用するドメイン名を変更しない場合は,内部で使用するドメイン名とインターネット上で使用するドメイン名が異なってしまうことになる。たとえば,電子メールアドレスでいうと,内部のドメイン名が“dsl.local.”であれば,内部で使用する電子メールアドレスは“name@dsl.local.”のようになる。このとき,インターネット上で使用するドメイン名を“bridgemw.co.jp”として取得したのであれば,インターネットで使用する電子メールアドレスは“name@bridgemw.co.jp”のようになる。このため,電子メールを送受信する電子メールサーバーのゲートウェイで,電子メールアドレスの変換作業(Fromアドレスも含めて)などが必要となってくる。

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