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Chapter 8:Microsoft DNS 〜Windows 2000のみでの構成〜

  COLUMN   NSLOOKUPユーティリティ

 NSLOOKUPユーティリティは,DNSの設定を確認するための標準的なツールである。このユーティリティを実行すると,DNSサーバーに設定されているAレコードやPTRレコード,SRVレコードの内容を参照したり,lsコマンドでゾーンの情報を転送させて表示させたりすることができる。

 NSLOOKUPユーティリティは,何のオプションも指定しないで実行すると,対話型のコンソールとして起動する。対話型のコンソールでは,調べたいホストもしくはリソースレコードを入力することで,DNSサーバーに問い合わせを送信し,回答内容を表示してくれる。

 表示される内容は,Table 8-1に示すようなオプションを利用することで変更される。たとえば,PTRレコードを調べたいのであれば,対話型のコンソールに“set type=PTR”と入力すればよい。対話型で処理を進めるのではなく,NSLOOKUPユーティリティを実行したら結果を表示してそのまま終了させることもできる。この場合は,NSLOOKUPユーティリティの起動時に次のような書式でオプションを指定すればよい。

nslookup -opt options host
nslookup -opt options host server

 options には,下記に示すオプションを列挙する。host には調べたいホスト名もしくはリソースレコードを指定する。server を指定した場合は,TCP/IPのプロパティで指定したデフォルトのDNSサーバーを使用するのではなく,明示的にserver で指定したDNSサーバーの設定内容を参照するようになる。

 NSLOOKUPユーティリティの主要なオプションは,次のとおりである。

Table 8-1 NSLOOKUPユーティリティの主要なオプション
オプション 意味
help ヘルプを表示する。NSLOOKUPユーティリティで使用可能なオプションの一覧が表示される
server NAME
lserver NAME
使用するDNSサーバーをNAMEで指定されたDNSサーバーに変更する。serverの場合はその時点で選択されているDNSサーバーを検索し,lserverの場合はTCP/IPのプロパティで指定されているDNSサーバーを検索する
ls ZONE

ZONEで指定されたゾーンの情報を表示する。lsコマンドでゾーン情報を表示する場合,DNSサーバーからnslookupコマンドを実行したクライアントへとゾーン転送されることになる。このため,ゾーン転送を許可していないDNSサーバーに対してlsコマンドを実行した場合は,拒否される。具体的には,“ls active.dsl.local”のように用いる。lsコマンドにはオプションが用意されており,表示するリソースレコードを制御するために利用される。

オプション 意味
-a CNAMEとエイリアスのみを表示する
-d すべてのリソースレコードを表示する
-t TYPE TYPEで指定されたリソースレコードのみを表示する
set debug,
set d2
デバッグ情報を表示する。d2は「デバッグレベル2」を意味しており,より詳細なデバッグ情報を表示できるようになる。デバッグ情報には,DNSサーバーとのやり取りが含まれているため,DNSの問題を解決するときによく利用される
set timeout=X タイムアウト時間をX秒に指定する
set type=X
set querytype=X
照会するリソースレコードのタイプをXに指定する。Xには,A,PTR,SRV,MX,NSなどを指定できる

 なお,NSLOOKUPユーティリティは,DNSサーバーのPTRレコードが正しく登録されていないと,起動しないので注意してほしい。

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