この特集のトップページへ
> Windows 2000 Professional インストール攻略
(6)ネットワークの設定
Windows 2000 Professionalには,ネットワークの設定に[標準設定]と[カスタム設定]の2つが用意されている(Fig.26)。[標準設定]モードを選択すると,[Microsoftネットワーク用クライアント],[Microsoftネットワーク用ファイルとプリンタ共有],[インターネットプロトコル(TCP/IP)]という3つのサービスが自動的に設定され,インストールされる。TCP/IPの設定を変更したい場合や他のネットワークサービスを追加したい場合は,[カスタム設定]モードを選択する。
それぞれのモードは次のような内容になっている。
Fig.26 ネットワークの設定
標準設定
自動的に次のように設定される。
なお,DHCPクライアントとして構成されたWindows 2000は,DHCPサーバーの探索に失敗すると,「169.254.x.y」というクラスBのプライベートIPアドレスをコンピュータに割り当てる(重複したIPアドレスがあれば,xとyは自動的に調整される)。そのあとDHCPクライアントは,5分ごとにDHCPサーバーを探索し,見つかればDHCPサーバーからTCP/IPの構成情報を取得してコンピュータを再構成するし,見つからなければ最初に割り当てたプライベートIPアドレスをそのまま利用し続ける。この機能はWindows 98でもサポートされているため,Windows 98やWindows 2000のみでネットワークを構築しているのであれば,[標準設定]を選択するだけで自動的にTCP/IPネットワークが構成される。ただし,「既存のLANでは固定のIPアドレスを割り当てている」という場合には,[カスタム設定]を選択し,明示的にIPアドレスを指定しなければならない。
ちなみに,「プライベートIPアドレスの自動割り当てなどは余計なお世話だ」という場合には,レジストリの次の場所にあるIPAutoconfigurationEnabledの値を「1.0.0.0」に変更すればよい(有効にしたければ「0.0.0.0」とする)。なお,同じ場所にあるIPAutoconfigurationSubnetの値でサブネットを,IPAutoconfigurationMaskの値でサブネットマスクを,それぞれ調整することもできる。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Services\Tcpip\Parameters\Interfaces\アダプタID\
DHCPクライアントが以前にDHCPサーバーからIPアドレスを取得しており,まだそのリース期限に達していない場合には,上記の動作とは若干異なる推移をとる。まずDHCPクライアントは,起動時にリース期限に達していなければ,DHCPサーバーを利用してリース期限を更新しようと試みる。このとき,DHCPサーバーを発見できなければ,DHCPクライアントはリースされている現在の構成情報に従ってデフォルトゲートウェイにPINGを試みる。もしPINGに成功すれば,前回リースを取得したときと同じネットワーク上に接続されているものと判断し,リースされている構成を継続して利用する。これに対してPINGに失敗したときは,DHCPサーバーのない異なるネットワークに移動されたものと判断し,上記の手順に従ってTCP/IPを自動構成する(5分ごとにDHCPサーバーを探索する点も同様である)。
カスタム設定
ネットワークの各種設定を手作業で行う(Fig.27)。ただし,デフォルトで[Microsoftネットワーク用クライアント]と[Microsoftネットワーク用ファイルとプリンタ共有],[インターネットプロトコル(TCP/IP)]は選択されている。[インターネットプロトコル(TCP/IP)]のプロパティでは,IPアドレス,デフォルトゲートウェイ,DNS,WINS,TCP/IPフィルタリングを設定することができる。
追加できるネットワークコンポーネントは,次のとおりである。
- ・クライアント
- NetWare用クライアントサービス
- ・サービス
- QoSパケットスケジューラ
- SAP Agent
- ・プロトコル
- Apple Talkプロトコル
- DLCプロトコル
- NetBEUIプロトコル
- NWLink IPX/SPX/NetBIOS互換トランスポートプロトコル
- ネットワークモニタドライバ
- DLCプロトコル
Fig.27 ネットワークコンポーネントのカスタム設定
前のページへ |
Windows 2000 Professionalのインストール 11/19 | 次のページへ |