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head2.gif 2.5.3 Flexible Single Master Operation
 厳密にいえば,Active Directoryはすべてにおいて完全なマルチマスタレプリケーションを採用しているわけではない。マルチマスタにそぐわない,あるいはマルチマスタである必要がない一部の情報は,ドメインで1つ,あるいはフォレスト全体で1つのサーバーでのみ変更できるようになっている。つまり,特定の情報は,シングルマスタレプリケーションされるのである。

 たとえば,Active Directoryで扱われるオブジェクトの構造を決定する「スキーマ」の情報は,頻繁に変更されるものではないし,ディレクトリの基礎となる部分だけに統一されていることが重要であるため,フォレスト全体で1つのサーバーがマスタとなって複製される(スキーマ情報のマスタとなるサーバーを「スキーママスタ」と呼ぶ)。

 この「スキーマの変更」も含めて全部で5つの操作はActive Directoryでもシングルマスタレプリケーションされることになっており,このような操作を「FSMO(Flexible Single Master Operation)」と呼ぶ。FSMOの役割を担うサーバーは,デフォルトでは,役割によってフォレストの最初のサーバー,またはドメインの最初のサーバーなどとなる。FSMO役割の詳細や,配置の考え方については,別の記事で解説する。

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