Directory design 2... 複製トラフィックから見たドメイン設計
複製トラフィックの見積もり
ディレクトリサイズと同様に，オブジェクトを登録すればするほど，オブジェクトに属性を追加すればするほど，複製トラフィックも増加する。前述したとおり，Active Directoryにおける複製は初回のみディレクトリ全体を複製し，それ以降はオブジェクトや属性を単位として差分複製される。たとえば，グループにメンバーを登録すると，メンバー1人あたり約180バイトのオーバーヘッドが生じ，文字列属性（10文字）を追加すると，属性1つあたり約100バイトのオーバーヘッドが生じる。さらに，文字列属性の場合は，文字数が多ければ多いほどオーバーヘッドも増大する。このときの増分は，8文字ごとに16バイトずつとなる（Unicodeの1文字あたり2バイトに相当する）。したがって，会社名などの属性を8文字で入力するのと9文字で入力するのとでは，データ量に微妙な違いが生じる。
Table 8 文字数によるデータ量の違い
| 文字数 | バイト数 | 増加サイズ |
| 1〜8 | 4396 | 0 |
| 9〜16 | 4412 | 16 |
| 17〜24 | 4428 | 16 |
| 以下略 | ||
このデータから，複製トラフィックのサイズを見積もることができる。たとえば，3つの文字列属性を備えるユーザーを100個と，メンバーを10人含むグローバルグループを10個複製する場合の複製トラフィックは，約900Kバイトとなる。
（386,148バイト＋3属性×100バイト×100ユーザー）＋（45,180×10グループ）
＝867,948バイト
以上のように，同一ドメインと異なるドメイン，サイト内とサイト間という，形態ごとに異なる複製トラフィックの特性を理解して，複製のタイミングやネットワークに流れるトラフィックの量を考慮しながら，ドメインやサイトを設計していただきたい。
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