Mobile:NEWS 2003年5月19日 02:37 PM 更新

A5305K、回転型端末を使ってみた

世界初となる回転型のau端末「A5305K」は、その独特のスタイルにもかかわらず、使い勝手も良好だ。閉じたまま、基本的な操作ができるところはまるでストレート端末

 「見た目のインパクトではなく、回転には意味がある」と京セラが言う、A5305K。折りたたみ型端末に慣れたユーザーにとって、回転型という新しい形状は使いやすいのかどうか。発売から数日間ではあるが、回転型端末を使ってみた印象をお伝えしたい。

サイドボタンでほとんどの操作が可能

 回転型を意識した操作体系がしっかりできている──。それがA5305K全般に対する印象だ。頻繁に使う機能のほとんどは、回転させて開くことなく閉じたままで操作可能になっている。

 例えば、

  • 電話を取る サイドボタンを押す。あるいは回転させる
  • 着信メールを見る サイドボタンを数回押す
  • 履歴から電話する サイドボタンを上(着信履歴)、下(発信履歴)に押して選択。押し込んで電話
  • 電話を切る 会話中にサイドボタンを押す。メニューから選択
  • 写真撮影 カメラのカバーを開ける。サイドボタンで撮影


側面に見えるのが、サイドキーとBackボタン。カメラには起動スイッチとしても使えるカバーが付く


左は開けた状態で決定キーを押すと現れるメニュー。中央は、閉じた状態でサイドキーを押すと登場するメニュー。右の写真はムービーを着信音に設定したところ。表面に大きな液晶が配置されるA5305Kでは、着ムービーも生きる


着信中にBackボタンを押すと、「応答保留」「着信拒否」などのメニューが現れる。通話中にサイドボタンを押すと、通話を終了することなどができる

 アドレス帳でさえ、待ち受け画面からサイドボタンだけで検索可能だ。1回押すとメニュー表示、そのまま2回目を押してアドレス帳選択。“あかさたな”の行を、サイドボタンの上下で選択して、次にだれに電話するかを上下で選んで押すだけだ。

 届いたメールも閉じたまま、サイドキーを数回押すだけで閲覧できる。自動フォルダ分けされていても、新着メールに自動的にフォーカスが当たるため、とにかくサイドキーを押していくだけでいい。液晶を見る必要さえないのだ。表示されたメールは、サイドキーの上下でスクロールできる。このまま回転させれば、自動的に返信画面になるのだが、閲覧だけなら開く必要はまったくない。


メールが届いたら、サイドキーを押していくだけで閲覧できる。返信したい場合は液晶を回転させればいい

 サイドボタンの脇にあるBackボタンは、1回押すと1段階前に戻る。1秒程度長押しすると、どの状態からでも待ち受け画面に戻る。ちなみに、サイドボタンの長押しで「サイドキー無効」、Backボタンの長押しで「マナーモード設定」が行える。

 多少の慣れは必要だったが、メール以外のほとんどの操作が閉じたまま、サイドボタンで可能だ。この感覚はストレート型端末に近い。何かするのに必ず“端末を開ける”というワンアクションが必要な折りたたみ型と違い、手早く操作できる。それでいて、折りたたみ型並にコンパクトだ。

片手で回転操作が可能

 世に発表された回転型端末は、ほかにもあるが、片手で開くことのできるのはA5305Kだけだろう。左手で持って、親指で押すことで回転させられる。少々勢いを付けて押しつければ、ジッポを開けるように開くことができる。【片手で開ける様子を動画で見るezmovie再生プレーヤーが必要です

 京セラはマニュアルで「開閉は必ず両手で行ってください」としており、推奨はできないが、片手で開けることが可能な点は評価したい。


側面から見ると分かるように、ヒンジは回転だけでなく角度が付くようになっている。イヤホンマイクはカバーが面白い


液晶背面はカーボン風の作り

 問題の1つは右手ではたいへん開けにくいことだ。サイドキーの位置も、左手の親指で操作することを想定しているようで、右手では使いにくかった。

 もう1つは、サイドキーの誤動作がある点だ。サイドキーを上下に動かすと発着信履歴が表示され、液晶を回転させるとそこに電話をかけることができる。片手で端末を開けるとき、サイドキーに触れてしまい、発信履歴の番号に電話がかかってしまうことがある。この点は注意が必要だ。

 ちなみに、端末を開けている状態ではBackボタンは無効に、サイドキーは十字キーの上下と決定キーの役割を果たす。例えばEZweb閲覧中も、サイドキーでスクロールし、サイドキーの押し込みでリンクをたどるといったことが可能だ。

ソフトウェアは??

 A5305Kの内蔵ソフトについてもお伝えしようと思ったのだが、使って感じたことがある。メニューの構成から表示されるグラフィックスまで、日立製の「A5303H」にそっくりなのだ。違いといったら、アクセサリーの画像が異なる点や、回転に関連した設定項目くらい。


上はA5305Kの画面、下はA5303Hの画面。各メニューが酷似しているのが分かる

 そういえば、日立のA5303Hはアプリケーションプロセッサ「SH-Mobile」をauで初搭載した端末。A5305KもSH-Mobileを搭載している。このあたりに関係がありそうだ。



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[斎藤健二, ITmedia]

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