Mobile:NEWS 2003年11月14日 11:28 PM 更新

ボーダフォンの3G、本格始動

全国97%に達するサービスエリア、連続180時間の待ち受け時間──FOMAで問題となった要素をクリアした上で、国際データローミングなど他社を超えるサービスを提供するボーダフォンの3G。最近の不調を吹き飛ばす風となれるだろうか。

 ボーダフォンの第3世代携帯電話が12月、本格的にサービスインする(11月13日の記事参照)。

 一応、3G本サービスは昨年12月から始まっているが、Webもメールも利用できず、販売チャネルもごく限られたものだった。もちろん積極的な販促も行っておらず、“市販されたネットワーク試験端末”といってもいい(2002年12月の記事参照)。3G向けのボーダフォンライブ!が始まる、この12月が、真のスタートだといって間違いない。

 時間をかけた分、準備は整えてきた。3Gのエリアは人口カバー率で全国97.7%に達しており(10月末)、現在96%のFOMAを凌ぐペースでエリア拡大を行ってきたことが分かる。

 最初の端末となる「V801SA」も、カメラこそ“メガ”ではないが、ハイエンド機能を盛り込んだ(11月13日の記事参照)。当初FOMAの普及を遅らせたバッテリー消費の問題(2002年2月の記事参照)も、連続待受180時間を達成し、クリアしている。

 ボーダフォンの3Gはどんな特徴を持っているのか。そして今後の展開には、何が期待できるのだろうか。

“グローバルスタンダード”を標榜

 ボーダフォンの3Gは大きく三つの特徴がある。

 一つ目は、その名「Vodafone Global Standard(VGS)」の通り、グローバルな標準に準拠していることだ。3GPPが通信方式を標準化する前にサービスインしたFOMAと異なり、ボーダフォンはじっくり時間をかけて国際標準に合わせた。VGS端末は当初からGSMとのデュアルモードだが、関係者によると3GPP準拠のほうがGSMとの整合性が高いのだという。

 結果、海外での利用においては他社を大きく凌ぐサービスエリアを持つ。81の国と地域とローミングが可能で、ボーダフォンは「日本人渡航先の94%をカバーしている」と言う。最新端末「V801SA」は、W-CDMAのほかに900/1800/1900MHzというGSMの主要3周波数に対応しており、海外でも、番号も端末も同じものを利用できる。

 なおW-CDMA/GSMデュアルモードのFOMAは、2004年以降に登場する予定。GPRS上でiモードが利用できる予定で、海外ローミングについては、ここではじめてVGS並になる。またタイミングを見て、3GPP標準へのネットワークアップデートも行う予定だ(3月12日の記事参照)。

「着うた」にも対応のボーダフォンライブ!

 VGS向けのWebサービス「ボーダフォンライブ」も満を持してのスタートだ。

 動画メールは、auの約60Kバイト(15秒)、FOMAの最大100Kバイト(15秒)に対して、最大200Kバイト(40秒)の送受信を可能とした。動画のファイルフォーマットは3GPに準拠しており、容量と画面サイズが合えば、FOMAとのやり取りが可能だと推測される。

 FOMAにはまだ用意されていないコンテンツとして、「着うた」に対応したのもポイントだ(11月13日の記事参照)。フォーマット的に完全な互換性はないが、au向けと同様のMP3をベースとした楽曲配信サービスで、100〜150Kバイトのファイルをダウンロードして、着信音などに利用できる。

 auのCDMA 1xが対応していない、テレビ電話「TVコール」にも対応する。標準規格である3G-324M(用語)に準拠しており、FOMAともやり取りが可能。特筆すべきは、料金を音声通話と同額にしていることだ(8月18日の記事参照)。FOMAは音声通話の約1.8倍に設定しており、VGSの割安感が光る。土日向けの割引サービス「ボーダフォンハッピータイム」(9月17日の記事参照)を使えば、全国1分5円でテレビ電話がかけられることになる。

国際ローミング対応〜海外から写メールやWebアクセス

 他社が全く追いついていないのが、海外でのデータ通信への対応だ。VGS端末を海外に持っていき、日本にいるのと同様に、メール(写メール、ムービー写メール)の送受信、Webアクセスなどが行える。メールの容量は最大140Kバイトに制限されるが、Webアクセスできるコンテンツの内容は、日本のものと同様となる。

 対応地域は、8月発表時の3地域から、中国・米国を含めた26地域に増えた。通信料金は、10Kバイトまで100円(フィリピンのみ150円)で、その後は5円/1Kバイトの水準。最初のチャージ的料金が高いため、どうせメールするなら写真も付けて送ったほうがお得だ。

 ただし、国際ローミングのパケット料金には、割引サービス「ハッピーパケット」(11月13日の記事参照)は適用されないので使いすぎには注意したい。

料金面でも整合性高いVGS。ただし伸びは未知数

 もう一つ、料金プランを2Gと3Gで揃えているところも評価できる(2002年12月の記事参照)。

 どのキャリアも2G時代からの名残で複雑な料金プランを抱えており、どこかのタイミングですっきりとしたものへ変更しようとしている。それが、ドコモの場合FOMAであり、auの場合1x WINだった。ボーダフォンは3G本格開始を前にして、2G向けごと一新したかっこうだ。

 ただし、こうした3Gへの取り組みで現在9万程度の契約数(11月10日の記事参照)しかない3Gが順調に伸びるとは言い切れない。不安要因もある。

 ひとつはあまりに少ない端末ラインアップだ。FOMAの例を挙げるまでもなく、新サービスの浸透に端末の商品力は重要。複数メーカーからハイエンド端末が投入されて初めて、FOMAの伸びが上向いたのは記憶に新しい。VGSの場合、当初は三洋製の「V801SA」のみ。

 同社グリーン社長は、12月にシャープ製端末を投入するほか、2004年10月までに「J-スカイとWAP両対応の6機種を出していく」としている(10月1日の記事参照)。国内メーカーだけでなく、海外メーカーの端末を使うことで端末ラインアップを広げていく考えだが、「海外メーカー製端末が果たして日本で受け入れられるのか」と疑問視する声も多い。

 エリアの狭さで苦しんだFOMAの轍を踏まないよう、サービスエリアは97.7%と当初から広範囲だ。しかし「今までは面。これからは屋内など密度向上を積極的にやっていく」(ボーダフォン)と言うとおり、実利用シーンでどこまで使えるかは利用者の判断待ちだ。

 こうしたリスク要因からか、現時点でもボーダフォンからは3Gの普及方針などは明らかにされず、10月にグリーン社長が話した「できるだけ早く100万契約に」という言葉が繰り返された。



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関連リンク
▼ ボーダフォン
▼ ボーダフォン Vodafone Global Standard

[斎藤健二, ITmedia]

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