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2018年にはディスプレイを折り曲げられるスマホが登場する?山根康宏の海外モバイル探訪記

ドコモの「M(Z-01K)」で再び注目を集めるようになった折りたたみ型の2画面スマートフォン。一方、折り曲げられるディスプレイの開発も進んでいます。2018年は、折り曲げられるディスプレイを搭載したスマートフォンが登場するかもしれません。

 ZTEのドコモ向けスマートフォン「M(Z-01K)」の登場でにわかに注目を集めるようになった、折りたたみ型のスマートフォン。グローバルでは米AT&Tで「AXON M」として発売します。Mは2画面を貼り合わせた折りたたみ式ですが、1つのディスプレイをそのまま曲げられる、そんなディスプレイの開発が世界各国で進んでいます。


CEATEC JAPAN 2017で出展されていたLenovoのFolioのモックアップ

 2017年7月にLenovoが開催した「Lenovo Tech World 2017」で参考出展された「Folio」は、折りたたむと5.5型スマートフォン、開くと7.8型タブレットになる折りたたみ型端末。ディスプレイそのものが曲がり、ヒンジによるつなぎ目は見えません。時期は未定ですが、いずれ製品化されることは間違いないと思われます。AXON Mが今になって出てきたことから分かるように、「閉じるとスマホ、開くと大画面(タブレット)」という端末の需要はこれから広がると各社は考えているはずです。


ヒンジ部分はYoga Bookなどでおなじみのしっかりした構造

 折りたたみディスプレイは既にSamsungが開発しており、折りたたみ型スマートフォンのデザイン特許なども出しています。Samsungはスマートフォンだけではなく、ディスプレイやプロセッサ、そしてメモリなどを手掛ける部材メーカーでもあります。折り曲げ可能なスマートフォンサイズのディスプレイはすでに試作品を発表していますから、早ければ2018年あたりに製品が出てくるかもしれません。

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折り曲げられるディスプレイの開発は各社が進めている

 ディスプレイメーカーも折り曲げ可能な製品の開発を進めています。例えば中国のBOEは、折り曲げ可能なディスプレイや、曲げられるディスプレイなどを海外の展示会で出展しています。スマートフォンやタブレットの本体形状をどのようなものにするかはさておき、曲げられるディスプレイの需要があることを先取りしているのです。


BOEの折り曲げ可能なディスプレイ

 つい先日台湾で行われた基隆城市産業博覧会では、台湾の国家機関、工業技術研究院が折り曲げ型ディスプレイを参考出展。なお同院には日本のリンテックグループが技術提携を行っています。日本企業が絡んだ折りたたみ型スマートフォンが出てくる日もいずれやってくるかもしれません。


台湾の工業技術研究院の折り曲げディスプレイ

 PCの画面では複数の作業を一度にできますが、スマートフォンはまだまだ1画面1タスクが主流です。しかし広い画面があれば、一度に2つのアプリを動かすことも楽にできます。そして写真や動画、あるいは電子書籍などを読むときは大きい画面を使いたいもの。2018年にはAXON Mのような折りたたみスマートフォンや、折り曲げディスプレイ搭載のスマートフォンのコンセプト品が各社から続々発表になるかもしれませんよ。


開くと大画面になるスマートフォンは便利に使える

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