CDMA2000 1x EV(HDR)はなぜ安い?──HDRの仕組み(1/3)試験サービスが開始されているNTTドコモのFOMAに対して,CDMA2000 1x/1x EVを採用するKDDIは,低コストをウリ文句としている。低コストを可能にするCDMA200 1EVこと「HDR」とはどんな技術なのか。クアルコムジャパンに聞いた。
無線インターネットアクセスへの要求が増すにつれて,携帯電話のデータ通信速度は向上を迫られる。“第3世代では2Mbps,3.5世代で30Mbps,第4世代で100Mbps”というのが6月末に総務省が公開した「新世代移動通信システムの将来展望」の内容だ(7月19日の記事参照)。 しかし,高速になった無線インターネットアクセスで何をやるのかといえば,キラーアプリケーションはいまだ不明瞭。いち早く第3世代携帯電話を始めたNTTドコモも,映像・音楽配信の「M-stage」(用語)や,テレビ電話,iモード上の動画クリップなどをアプリケーションとして考えているようだが,その実力はまだ未知数だ。 第3世代携帯電話向けのアプリケーションに常に“?”マークが付く理由の1つは料金。ドコモのFOMAには,「パケット料金が高すぎて,怖くて使えない」という評価がついてまわっている。 逆に低料金を強調するのが,Qualcomm(用語)の「CDMA2000 1x」(用語)や「CDMA2000 1x EV-DO」(HDR,用語)を採用するKDDIだ(7月18日の記事参照)。
音声とデータの要求項目は一致しない「最初からデータを流すことだけを考えれば,より効率化できるのではないか」 1997年,米QualcommでHDR(現在の呼び名はCDMA2000 1xEV-DO)の開発が始まったそもそものきっかけはこんな考えからだったと前田氏は語る。 NTTドコモのFOMAなどに採用されているW-CDMA方式(用語)は,電話のシステムを大きくしたもの。同じシステムで音声通信もデータ通信もできるように作られている。 IMT-2000へ移行する国内3キャリアの通信方式
しかし音声とデータでは「通信に求められる特性がかなり違う」と前田氏は言う。音声通信では,データが遅れて届くディレイが発生してはマズイし,プチプチと通信が途切れる瞬断も許されない。また,データ通信では音声通話と違い,下り方向に偏った通信になることが多く,一定時間に集中して流れるデータ構成(バーストデータ)になる。 W-CDMAやQualcommの「CDMA2000 3x」(用語)は,“音声もデータも同じ方式で送受信しましょう”という「バランスはいいが,中途半端」な方式だと前田氏は説明する。 無線による高速データ通信が研究され始めた頃にはiモードなどのサービスもなく,高速データ通信の応用としてはテレビ電話などが挙げられていた。しかし今になってみれば“データ通信=インターネット”。インターネットで利用されるデータは,音声通話とはかなりその質が違う。 実際,Qualcommがしばらく前まで推していたCDMA2000 3xはいまやベースバンドチップのロードマップから消えている。データ転送量が多く,上下対称,ディレイも手段も許されないアプリケーション──例えば「テレビ電話がもしも普及したら,(CDMA2000 3xも)必要になってくるかもしれない」(前田氏) モバイルショップ
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