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第4回「成功の鍵は? モバイルマーケティングのキモ」

シンプルなデジタルコンテンツの提供ビジネスを基点に,さまざまな顔を見せ始めたモバイルコンテンツビジネス。その大きな可能性の1つが既存のプロモーションやリアルビジネスを絡めたモバイルマーケティングの分野である。モバイルマーケティング成功のための鍵は一体何なのだろうか。

【国内記事】 2001年10月16日更新

 本コラムでは,ここまで,モバイルビジネスそのものの変容の必然性モバイル時代のユーザーの捉え方,そしてそれに伴ったモバイルコンテンツビジネスの変容の方向性を示してきた。その中での1つの解として,モバイルへのコンテンツ提供をマーケティングとの連動で訴求していくという,モバイルマーケティングの可能性を示してきた。

モバイルマーケティングのキモ“コンテクスト”

 マーケティング全般を鑑みる際,モバイルは非常に適したツールだといわれる。なぜモバイルはマーケティングの最適ツールといえるのか。それは,以前に触れたユーザーの価値観変化を最も効果的に捉えられるからだ。

 モバイル端末は朝から晩までの生活の中で,常にユーザーの数10センチ以内に存在する。このためユーザーへの接触チャンスがこれまでの媒体に比べて飛躍的に多くなり,時間と場所を特定したアプローチが可能になるわけだ。

 ただし接触チャンスは増えるが,反面,その接触時間自体はあまり多くはない。ある調査によると,iモードユーザーの1日トータルのメディア接触時間は,“たったの10〜30分である”という少なさである。その短時間で最大限,有効にアプローチしなければならない。モバイルマーケティングはターゲットユーザーに効果的にアプローチできる可能性は高いが,その反面,望んだ効果を発揮するためには綿密な仕掛けが必要な手法といえる。

 この難解なモバイルマーケティングを効果的に活用するために,持つべき基本的考え方とは何か。それは行動に伴うユーザーの心理的変化を“コンテクスト”という概念で捉えていくこと,そのコンテクストを理解した形で各コンテンツやサービス,キャンペーンなどを提供していくことである。

シンプルなコンテンツとコンテクストの違い

 コンテクストを直訳すると,「文脈」「前後関係」といった意味になる。つまりユーザーの1日の行動時間の変遷や,その行動によって存在する場所の移り変わり,そしてそれに伴う感情変化などの,ユーザーの持つストーリー性をいかに掴み,事前に読み解いていくかが,コンテクストの理解につながる。

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 このコンテクストという考え方は,ユーザーやそのユーザーの持つニーズを“点”で捉えるのではなく,“線”で捉えることがそのベースとなっている。モバイルは,常にユーザーの近くに存在する。移動中も,店舗にいる時も,街をブラついている時も,自宅にいる時も,常にその傍らに位置している。ユーザーの行動,存在する場所,感情といったコンテクストを線として理解し,それにマッチした価値を訴求していくのである。

 これまでのモバイルコンテンツビジネスは,このコンテクストを無視して,均質的なコンテンツを誰かれ構わず提供してきたものが多い。しかしこのコンテクストをきちんと理解し,ユーザーのストーリー性にマッチしたコンテンツ訴求をしていかなければ,個人にアプローチすること,時間でユーザーを捉えること,場所を特定したアプローチが可能になること,といったモバイルマーケティングの特性が活かせていないことになってしまう。

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「実際にはどのように捉えるか?」

連載バックナンバー
▼ 第1回「到来する? モバイルバブルの崩壊」
▼ 第2回「見誤るな! モバイル時代のユーザーの捉え方」
▼ 第3回「どこへ行く? モバイルコンテンツビジネス」
▼ 第4回「成功の鍵は? モバイルマーケティングのキモ」
▼ 第5回「見極めよ! モバイルとマスの効果的マーケティング連動」
▼ 第6回「捉えよ!モバイルマーケティングの全体像と今後の方向性」



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