News 2001年8月23日 11:59 PM 更新

DDR対応チップセットとマザーボードの最新動向――AMD Developer's Conference

カンファレンスの午後のセッションでは,DDRを支持するSiSやALi,ASUSTeKなどのチップセットメーカーやマザーボードメーカーが,対応製品や最新ロードマップの紹介を行った。

 「AMD Developer's Conference」の午後のセッションでは,チップセットメーカーやマザーボードメーカーが,DDR対応製品の紹介や最新ロードマップの発表を行った。

 チップセットメーカーは,Silicon Integrated Systems(SiS),Acer Laboratories(ALi),nVIDIA,VIA Technologiesの順で登場。SiSは,DDR対応「SiS735」とグラフィック統合チップセット「SiS740」をアピールした。

 SiS740はAthlond/Duron用(SocketA)チップセットで,SiS315相当のグラフィック機能を内蔵している。South Bridgeにあたる「SiS961」と組み合わせて利用され,DDR(DDR266)とSDRAM(PC133)の両方が利用できる。SiS740とSiS961という2つのチップセット間は,16bitのバス幅で533Mバイト/秒の高速データ転送が可能だ。


SiS740チップセットのシステム図(拡大画像

 ALiは,DDR対応チップセット「ALiMAGiK 1(M1647)」を昨年夏に業界に先がけて発表するなど,DDRに積極的だ。会場では,M1647のほか,モバイル向け統合型チップセットの「CyberMAGiK(M1646)」の低電力消費,パワーマネジメント機能などを紹介した。

 これらのDDR対応チップセットは,SDRAMとDDRの両方に対応するため「DDRプラットフォームへの移行をスムーズに進めるために貢献している」(同社)。AMDの高速バス技術「HyperTransport」に対応した新チップセット「M1667」については,残念ながらロードマップで触れるにとどまった。


ALiが示したチップセットのロードマップ(拡大画像

 nVIDIAは,新チップセット「nForce」を紹介した。グラフィックチップ市場で地位を築いたnVIDIAの,チップセット市場参入への第1弾となるnForceは,CPUやメモリをコントロールするIGP(Integrated Graphics Processor)と,PCIバスやUSB,キーボード,シリアル,パラレルといったデバイスを担当するMCP(Media and Communications Processor)で構成される。

 IGPにはGeForce2のコアを内蔵するほか,PC2100 DDR SDRAMのスループットを毎秒4.2Gバイトへと倍増するよう設計された128ビットのメモリインタフェースを採用している。また,IGPにはAMDのHyperTransportデータバステクノロジーが採用されており,IGPとMCP間は転送速度が毎秒800Mバイトで接続される。


nVIDIAの新チップセット「nForce」で,CPUやメモリをコントロールするIGPのシステム図(拡大画像

 VIAは,Athlon/Duronの普及に貢献したKT133をはじめとしたAMD対応チップセットのロードマップを掲げ,「KT133からKT266,そしてK8(第8世代CPU)にも対応していく。VIAはいつでもAMDのベストパートナー」(同社)と訴えた。

 KT266は,「V-Link」 ハブ・アーキテクチャを採用しており,チップセット間のデータ転送を266Mバイト/秒の速度で行える。「従来のチップセットはノースブリッジとサウスブリッジ間がPCI接続 (133Mバイト/秒) で,パフォーマンス向上のボトルネックとなっていた」(同社)。会場では,各種ベンチマーク結果を挙げてKT266と他社チップセットとの比較を行い,性能をアピールした。


KT266のシステム図(拡大画像

 別会場では,マザーボード各社によるDDR対応の最新マザーボード展示が行われた。注目を集めたのが,Dual Athlon対応でマルチプロセッサシステムを可能にするASUSTeKのマザー「A7M266-D」だ。


ASUSTeKのDual Athlon対応マザーボード

 Dual Athlon対応のチップセットは,AMD-760MP。同チップセットでは,ハイエンドマザーボードベンダーのTYANが「ThunderK7」というマザーを発表しているが,いわゆる自作ユーザー向けマザーとしてA7M266-Dへの期待は大きい。「チップセットの供給次第だが,10月までには発売したい」(ASUSTeK販売代理店ユニティ担当者)。


AMDから正式な発表前ということで,AMD-768のロゴは午後になってテープで隠された

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[西坂真人, ITmedia]

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