News 2001年9月18日 11:59 PM 更新

“万能性”でインクジェットプリンタのシェア奪回を宣言する日本HP(2)

 同製品ではモノクロ/カラー共に292ノズルの4色印刷ヘッドにより,従来の最高機種であった990Cxiと比較して1.8〜2倍の高速化が図られた。画質アップが図られたエコノモード時の速度は,モノクロ毎分17枚,カラー毎分16枚と,カラー印刷時の速度低下が非常に少ないのが特徴だ。


フラッグシップモデルのcp 1160

 上部に物を置くことが可能なフロントアクセス設計,前面LCDディスプレイによるわかりやすいステータス表示,内蔵USBに加えて脱着式インターフェイスユニットを利用可能など,実利用環境での使いやすさに心を配った設計だ。

 また,ヘッドの加熱を防ぐ温度監視システムや,インク経路のマルチチャネル化,詰まったノズルを普段は利用しない予備のノズルでバックアップするなど,インクジェットに付きまとう信頼性に対する不安を解消する技術を投入している。

 日本HPコンシューマ事業統括ペリフェラルマーケティングマネージャの関根光次氏は,これに加えて先日発表されたパーソナル向け複合機「hp psc 750」について「だんな様と奥様の持つ本音を両方満足させる家庭で求められているプリンタ」と位置付けた。

 “だんな様”は,PCを積極的に利用しプリンタやスキャナが欲しいと思っているが,場所や価格の制約で悩むことが多い。対して“奥様”は,(ハードウェアとしての)PCに対する興味は薄いがコピーは利用したい。さらにPC機材の数は極力減らしたいと考え,家庭用ファックスでは本や雑誌のコピーができない点が不満な上,わざわざコンビニまで出かけるのは面倒と考えている。

 インクジェットプリンタをベースにしたパーソナル複合機は,その両方を満足させるというわけだ。米国市場ではすでにインクジェットプリンタ市場の20%を,パーソナル複合機が占めており,そのうちの70%をHPが握っている。

 また,同じく家庭からのニーズとして,より簡単に使えることもキーワードとして挙げている。裏話になるが,かつて日本HPトップが自宅でインクジェットプリンタを使おうとした時,インクカートリッジの取り扱い方が判らず苦労し「何とかしろ」と命じたという話を担当者から伺ったことがある。

 その成果が現れたか,昨年は初心者向けに特化したマニュアルを日本独自に製作し,昨年度の毎日新聞社主催マニュアル大賞の部門賞を受賞するに至ったと関根氏は胸を張る。今年はその成果をベースに,さらにわかりやすいマニュアルにした。

 また既存のすべての日本HP製プリンタと,新製品のうちcp 1160とphotosmart 1315を除くすべての機種に,メーカー配布のドライバと同等機能,画質を持つドライバをマイクロソフトと共同開発しWindows XPに同梱した。

 このためWindows XPがインストールされたすべてのPCで,USBケーブルを接続するとインストール作業なしにプリンタの性能を活かしたドライバが組み込まれる。cp1160とphotosmart 1315に関しては,Windows XP出荷後にインターネットからドライバの配布が行われる。

関連記事
▼ 日本HP,個人向けインクジェットプリンタ新製品を発表

関連リンク
▼ 日本ヒューレット・パッカード

前のページ1 2次のページ

[本田雅一, ITmedia]