News:速攻レビュー 2001年9月21日 06:57 PM 更新

速攻レビュー:HPの新プリンタ「hp cp 1160」(2)

 結果は以下の通りだ。

印刷モード 時間
モノクロ/ノーマルモード 1分15秒
カラー/ノーマルモード 1分27秒
モノクロ/エコノモード 25秒
カラー/エコノモード 32秒

 モノクロの方が高速ではあるが,カラーとの差はほとんど意識せずに済む程度だ。これだけ高速なら,普段からカラーの情報ソースを積極的に印刷してみようという気にもなる。

 画質的にも,元々高かった普通紙画質が,ドライバの進化とドロップレットサイズの減少(従来5ピコリットルだったのが4ピコリットル)したためか,さらに良好になったように感じる。また,モノクロインクのドロップレットサイズは従来の半分になっており,特に細めの明朝体で文字品質の向上を感じる。

 また,お約束の写真印刷も行ってみた。本機を好むユーザーは,写真画質や速度に対して過大な期待をしていない“実用性重視派”だとは思うが,従来のように他社製品に大きく遅れを取ることはなくなった。

 テストで用意したA4サイズほぼいっぱいの写真データを,最高画質でプレミアムフォト用紙に印刷した時の時間は4分11秒だった。

 この値は昨年のエプソン,キヤノンの最高機種と比較して,それぞれの最高画質モードでは最も高速で,デフォルトの写真印刷用設定と比べると少し遅いという程度だ。おそらく,両社とも新機種では速度アップしていると思われるが,写真印刷の頻度が低いユーザーにとってみれば,十分な速度と言えるだろう。

 なお,写真印刷時の画質は4色インク機としては最高クラスだが,写真画質を重視した他社プリンタと比較すると細かな再現性や粒状性で劣る。ただし,色合いは鮮やかで見栄えがするため,粒状性を意識しない人であれば十分満足できる画質には仕上がっている。

平らな頭がとても便利

 性能面の評価からガラっと変わってしまうが,本機のデザイン。これがなかなか秀逸である。とはいっても,見てくれの事ではない。プリンタ上部が平らで,インク交換もフロントドアを手前に引いて行えるため,プリンタの上に物が置けるのだ。

 もちろん,物が置けるとは言っても,それほど重いものを載せることはできない。しかし,ちょっとした小物類を配置したり,印刷後の用紙を載せておいたり,用紙を別のサイズに交換する時にテンポラリで用紙束を置いて置いたりと,様々な場面でこの場所が便利に利用できる。従来機と比較して,幅が多少大きくなっているのだが,そうした点を考慮してもなお,設置の自由度の点で良好であると評価したい。


プリンタ本体の上に物が置ける。「1点に集中しなければ,22キロまでの重さに耐えられる」(同社)

 用紙トレイがカセットのごとく脱着できるのも便利だ。奥行きのない場所に設置したいが用紙の出っ張りが気になる,といった場合でも,用紙トレイを抜いて本体の上に置いておけば邪魔にならない。

 用紙トレイをもうひとつオプションで購入し,異なる用紙サイズや用紙種類専用トレイを作り,カセット感覚で取り替えるという使い方も,スモールオフィスなどで利用する際には有効だろう。ほぼ完全に用紙がプラスティックで覆われる点も,ホコリなどが気になる人にはいいと思う。

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