News:速攻レビュー 2001年9月21日 06:57 PM 更新

速攻レビュー:HPの新プリンタ「hp cp 1160」(3)

 プリンタステータスを表示する液晶パネルも便利だ。大まかなインク残量が常に表示されており,異常が発生すると該当箇所が点滅する。まだ評価を始めて時間が経過していないため,トラブルには遭遇していないが,用紙種類の自動検出機能やヘッド位置の全自動調整,自動両面印刷機能などと共に,実用性が高い機能である。

 なお,日本独自製作の初心者向けマニュアルは,評価用のパッケージ(ハードウェアは製品版同等だがマニュアルなど印刷物は揃っていない)に含まれていなかったため,ここでは言及できない。ただ,ドライバのインストールは非常にスムースで,CDからソフトウェアのインストールを実行後,USBケーブルを接続すると自動的に組み込まれたことを付記しておきたい。

実用性重視のユーザーには最適

 単に“カラーが高速で普通紙でも高画質”というだけならば,すでに日本HPの独壇場ではなくなっている。昨年,キヤノンが発売したBJ S600は,写真画質を求めるユーザーとは異なる層を狙った商品としてスマッシュヒットを飛ばした。

 米国キヤノンで発表されている新機種を見ると,BJ S600だけだったSシリーズを拡充しており,これらが国内投入されれば,本機とイイ勝負を演じることになるかも知れない。

 しかし,用紙カセットライクなペーパーハンドリングや扱いの簡単さ,そしてインク詰まりに自動的に対応する機能の付加,用紙種類の自動判別など,使いやすさの面では本機の右に出る機種はないだろう。スペックに現れないところでの使い勝手の良さが,本機の長所だ。

 ただし,機能満載なだけあって価格は高めだ。6万9800円という標準小売価格は,PCの価格が下落した現在の水準化すれば,いかにも高価なプリンタである。店頭では4万円を切ってくると言われるが,スペックに現れにくい使い勝手の良さが評価されるかどうか。

 日本HP自身が「数年前に写真画質を求めて購入したユーザーが,PCの買い換えと共にプリンタを買い換えるとき,やっぱり実用性が高い方がいいと思ってくれれば」と話していたように,写真画質競争から距離を置くユーザーに対して,どれだけアピールできるかが,本機の行方を左右することになるだろう。

 なお,同じく日本HPの新製品,パーソナル複合機のpsc 750も,今週末には評価機が用意できるようだ。来週中にはそちらの評価記事も掲載するようにしたい。

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[本田雅一, ITmedia]