News:速攻レビュー 2001年9月21日 06:57 PM 更新

速攻レビュー:HPの新プリンタ「hp cp 1160」(1)

日本HPの新カラーインクジェットプリンタ「hp cp 1160」を早速,試してみた。モノクロ印刷と遜色ないカラー印刷の速度や,工夫の凝らされた本体デザインなど実用性重視がこの製品の特徴だが,その実力は果たしてどれほどのものだったのだろうか。

 先日発表された日本ヒューレット・パッカードの新カラーインクジェットプリンタ「hp cp 1160」の製品版サンプルを入手。早速,日本HPが主張する使いやすさ,簡単さ,速度,そして美しさを評価してみた。

 スペックなどはこちらを参照していただきたい(なお,cp 1160は現在幕張メッセで開催しているWORLD PC EXPOの日本HPブースで実物を確認できる)。


WORLD PC EXPOに出展している日本HPブースのプリンタコーナー

「カラーを出すぞ!」と意気込まずに済む速度

 数年前のことだ。米Hewlett-Packard本社の開発者に「どの性能が最も足りないと思うか?」と質問されたことがある。そのとき,筆者は「カラーだからといって特別に意識させない速度,コスト,使い勝手を実現して欲しい」と答えた記憶がある。

 カラーだから遅いのはしかたがない。カラーだからランニングコストが高くなるのはしかたがない。カラーだからきれいに印刷するにはコート紙が必要でもしかたがない。カラーだから……というのは,ある種,究極の言い訳だ。

 もちろん,技術的には,コストを上げずにカラー化を行うのは困難なことだ。だがカラープリンタの価値を多くのユーザーに届けるには,技術的な制限を意識させない(つまり技術的制約があることを可能な限り感じさせない)必要があると思ったのだ。

 なぜこんな古い話を持ち出したのかというと,今回発売されたcp 1160は,「ランニングコスト」でこそ,まだカラーであることを意識させるものの,一般的な印刷用途(Webや電子メール,各種資料などの印刷)であれば,カラーであることを意識させない「速度」になったからだ。

 日本HPのカラーインクジェットプリンタは,元々,普通紙印刷の品質が高かったこともあり,カラー印刷だからといって,用紙を交換する必要も,もちろんない。

 スペック値のモノクロ17枚/分,カラー16枚/分という速度は,ドットを間引いて印刷する高速なエコノモード時の数値だが,本機のエコノモードは他社製品と比較して濃い印刷結果となり,かつ誤差拡散法による中間色表現も行われるため,画質の点で「ちょっと印刷して資料にする」程度ならば,十分に許容できる点がミソだ。

 しかし,本当にモノクロとカラーが同等速度で印刷できるのだろうか?

 先ほど紹介した本機発表記事の印刷でテストしてみた。ページ数はA4で全3ページ。モノクロの速度は,モノクロのみでの印刷をドライバで指示,さらに自動用紙種類検出機能をオフにしてある。また,時間はPC側の処理時間は含まず,プリンタが紙送りを開始してから,最終ページ排出までの時間を計測している。

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