News | 2001年10月4日 11:48 PM 更新 |
村田製作所のブースで,Bluetoothを使った遠隔制御のヒューマノイド(人型ロボット)「Morph(モルフ)」が人気を集めている。
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村田製作所ブースで来場者の人気を集めているMorph |
このヒューマノイドは,あのPINOを生み出した北野共生システムプロジェクト&ZMPの開発チームと,村田製作所とが共同で製作したものだ。
村田製作所が開発した小型のBluetoothモジュールを搭載し,無線通信でMorphを遠隔操作できる。「Bluetoothの無線通信距離は,10〜100メートルぐらいまで可能」(同社)。
まず,その小型ボディに驚かされた。Morphの身長はなんと約34センチ。PINO(約70センチ)の約半分である。小型の2足歩行ロボットとしては,ソニーの「SDR-3X」(約50センチ)や富士通研究所の「HOAP-1」(約48センチ)よりもさらに一回り小さい。
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約34センチの小型ボディ |
「なんだ,オモチャのロボットみたいだ」とおっしゃるなかれ。実は,自立型ロボットの歩行運動では,小型になるほど難しい。さらに今回のように無線制御となると,小型の無線システムを本体に内蔵しなければならない。
そこでMorphには,村田製作所の小型Bluetoothモジュールが活躍している。そのほかにも,2足歩行の際にバランスを制御するジャイロモジュールや各種センサーなど同社部品技術が生かされている。
各関節の可動範囲が広く(自由度26),素早く動いたり瞬時に力を抜いたりすることができる。2足歩行以外にも脚部,腰,上体関節を屈曲させて,玉のように丸まった姿勢をとったり,前転や受身動作などもできる。
会場のデモンストレーションでは,丸まった姿勢で登場したMorphが,瞬時に両手を伸ばしてスッと立ち上がり,そして伸ばした両手をゆっくりと下ろしていく。この一連の動作が実に滑らかに行われるのだ。
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玉のように丸まった姿勢から滑らかな動きで立ち上がったMorph(動画を見る・mpeg1形式/約270Kバイト) |
このような複雑な動作を可能にした要素技術の1つに,村田製作所の圧電振動ジャイロがある。Morphでは,腰の部分に圧電振動ジャイロが取り付けられている。
人間の三半規管のような役割を果たすこのセンサーによって,激しい動きやの際にもバランスを保つことができる。
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片足を上げてボールを蹴る事もできてしまう(会場ではこの動作は見られなかった) |
デモンストレーションの最後に空手の型を見せたMorph。構えから鎖骨割り(って言ってたけど,いわゆる“空手チョップ”)までは俊敏な動きを見せていたが,正拳突きの動作では気合いが入りすぎたのか,転倒してしまうハプニングも飛び出した。
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空手の型を見せたMorph。転倒してしまうハプニングも(動画を見る・mpeg1形式/約440Kバイト) |
実はCEATEC2日目の昨日,午前中にアクシデントが発生し,その日の午後は実機によるMorphのデモンストレーションが行われなかった。3日目の今日も「本調子では無かった」(ブース担当者)ので,転倒もご愛嬌というところか。
「今回は,ロボットにおいて村田製作所の部品技術をどのように生かせるかを検証するために協力している。Bluetoothによる遠隔操作ができれば,災害救助などにも応用していきたい」(村田製作所)。
北野共生システムプロジェクトの古田貴之氏は,Morphについて「“ヒューマノイド”というロボットの定義には,人型という以外は明確なものがない。今回のMorphは,ヒューマノイドの要素技術を研究するための実験用のプラットフォーム。全身を使って受身を取ったり,起き上がったりするような動作の要素技術研究のためのロボット」と語っていた。
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