News 2001年11月16日 11:55 PM 更新

Windows XP,ギャルゲーに敗れる……

全般に盛り上がりを欠いたWindows XPの深夜発売。しかし,本番はこれからだ。だが,一夜明け,実質発売初日を迎えた秋葉原では,さらに厳しい現実?が待ち受けていた。

 “祭り”にならなかった一夜が明けた。そこで本来の営業時間としてはWindowsXP発売初日を迎えた秋葉原を歩いてみたが,平日ということもあってか,相変わらずWindows XPの盛り上がりはイマイチ。よほど探さないと,XP購入を示すブルーの紙袋を街を歩く人の手に見つけ出すことができない状況だ。

 どのショップでもWindows XPのノボリを掲げ,店頭に青や緑の箱を山積みしてアピールしている。しかし,行列はおろか関心を寄せる人も予想以上に少ない。あるショップでは,タッチ&トライコーナーを設置してWindows XPの新機能を紹介していたが,立ち止まって耳を傾ける人はほとんどいなかった。

 ショップに話を聞くと「深夜販売は完全に赤字。日中の販売も盛り上がりに欠けている」と嘆く声が多い。過去のWindows発売と比べてみても「初日の販売本数は言えないが,予想していたよりはるかに少ない。出だしはWindows 2000の時よりも悪いのでは」と,寂しい状況を訴えるところが大半だった。

 各ショップで売れているのは,Home Editionのアップグレード版。実売で1万3000円前後と,Windows XPの中では1番安価なバージョンだ。Windows 95などの時はPlus!for Windows XPとセットで購入するユーザーも多かったが,今回はXP単独で購入するケースが多いという。

夕方の秋葉原に100メートル以上の行列。こ,これは……

 「結局,秋葉原ではWindows XPは盛り上がらなかったのか」――そんな思いを抱きながら日も暮れかけた秋葉原を歩いていると,電気街のメインストリートである中央通りになんと行列ができているではないか。

 さすが秋葉原。世界に誇る電気街だけのことはある。深夜販売は盛り上がらなかったものの,ちゃんとWindows XP発売初日には,こうやって駆けつける熱心なユーザーがいるんじゃないか。おおかた,深夜販売には終電を気にして来なかったのだろう。


16日夕方の秋葉原・中央通りに行列が……

 行列をたどっていくと,長い。100メートル以上も続いている。ざっと200人以上はいるだろう。こんなに集めているショップは,果たしてどこだろうか。なになに,「メ・ッ・セ・サ・ン……」――。

 そう,賢明なZDNet読者はすでに気付いていたかもしれないが,16日の秋葉原に行列を作らせていたのは,ブロードバンド時代のOSではなく,「ギャルゲー」。そのスジのユーザーの“聖地”,ここメッセサンオーでは,16日夕方より「フーリガン」(フロントウィング)という,そっち系ソフトの体験版が無料で配られていたのだ。


メッセサンオーのギャルゲー体験版配布には,XPをはるかに超える?200人以上が並んだ

 店員によると,この手のイベントは毎週行われており,人気ソフトになると,ショップから200メートル以上離れた地下鉄末広町駅出口付近まで行列ができることも珍しくないという。ちなみにこのソフト,わずか一週間後の11月22日には正式版が発売されるにもかかわらず,体験版でこの行列だ。

 「もし,同じように深夜販売を行ったとしても,Windows XPには勝ったでしょう」(メッセサンオー店員)。うーむ……。

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[西坂真人, ITmedia]

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