News 2001年12月29日 00:41 PM 更新

価格破壊の2001年液晶ディスプレイ市場──2002年は解像度に注目

低価格化が急激に進み,一般ユーザーに広く普及した液晶ディスプレイ。2002年は,価格や画面サイズだけでなく,その解像度にも注目したい。

 2001年は液晶ディスプレイの低価格化が急激に進み,PC用ディスプレイの主役として一般ユーザーに広く普及した。

 電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた出荷統計によると,今年6月に液晶ディスプレイの出荷台数が11万6571台となり,CRT(11万3121台)の出荷台数を初めて上回った。その後の7月以降も,液晶ディスプレイがCRTに2万〜3万台の差をつけて多く出荷されている。10月末の累計出荷台数でも,CRTの142万4598台に対して液晶ディスプレイが128万4002台と,ほぼ5対5の比率にまで迫っている。

 これが2000年では,CRTが7割に対して液晶ディスプレイは3割と,CRTの半分にも満たなかった。2001年の液晶ディスプレイ躍進振りが,統計上でもうかがえるだろう。

躍進の原動力は“低価格化”

 液晶ディスプレイ躍進の原動力となったのは,なんといっても低価格化だ。昨年12月には,15インチXGA(1024×768ピクセル)の価格が8万〜12万円台だったのが,現在では4万〜6万円台とわずか1年で半値で買えるようになった。

 低価格化とともに,大画面モデルへ売れ筋もシフトしており,16〜17インチSXGA(1280×1024ピクセル)が液晶ディスプレイの主流となりつつある。17インチで安いものでは6万円を切る製品が登場している。

 ZDNetでは,低価格化が進んだ今年の液晶ディスプレイ市場動向を,ディスプレイメーカートップインタビューの中で,読者にいち早く提言していた。

 まず,低価格競争の口火を切って液晶ディスプレイの価格破壊をもたらしたディナーの大森哲夫副社長へのインタビューを5月に実施。このとき大森氏は「今年は液晶ディスプレイが大ブレイクする。今年後半には18インチで10万円を切る商品が登場するだろう」と市場を予測した。

 また8月に行った日本エヌフレンへのインタビューで同社の高田通孝社長は「17インチは年内にも6万円台前半,15インチも4万円台前半にまで下がるだろう」との市場展望を語り,見事にその通りの状況となっている。

 さて,2002年の液晶ディスプレイ市場は,どのように展開されていくのだろうか。

2002年は画面サイズよりも解像度に注目!

 大画面化の流れは,18インチで一段落すると思われる。液晶の18インチはCRTの20インチ以上に相当する画面サイズとなる。CAD関連や各種デザイナーでもないかぎり,これ以上の大画面は必要ない。一般ユーザーは,画面サイズよりもむしろ,解像度が重要になってくるだろう。

 残念ながら現在発売されている10万円前後の18インチモデルは,どれもSXGA(1280×1024ピクセル)のものばかりだ。

 このSXGAという表示には,やっかいな問題がある。通常,ディスプレイの解像度は,どれもアスペクト比が4対3となっている。デジカメの解像度なども,この4対3を基準としている。しかしSXGAだけは,なぜかアスペクト比が5対4のイレギュラーな規格。17〜18インチクラスの液晶ディスプレイがやけに正方形に見えるのはこのためだ。

 本来,18インチの大きさならば,UXGA(1600×1200ピクセル)は欲しいところだ。CRTでは17〜19インチクラスになるとUXGA表示がほぼ標準仕様となっており,この解像度を利用しているユーザーも多いだろう。

 アイ・オー・データ機器が8月に発売した液晶ディスプレイ「LCD-A15UR」は,15インチでUXGA表示ができる画素ピッチ0.1907ミリの高精細タイプだ。視野角や輝度にやや不満は残るが,今後の液晶ディスプレイの方向性を表した製品といえる。


15型でUXGA表示の「LCD-A15UR」

 10月末に開催されたディスプレイの展示会「LCD/PDP International 2001」では,PC用液晶ディスプレイとしてSXGAを4対3のアスペクト比にした拡張規格SXGA+(1400×1050)をはじめ,UXGA(1600×1200),QXGA(2048×1536)といった高解像度タイプの展示に各社とも力を入れていた。

 2002年は,15インチでSXGA+,17〜18インチでSXGA+もしくはUXGAの高精細液晶ディスプレイが続々登場してくるとみられる。

 さらに,これからの液晶ディスプレイに求められるものは,大画面や高解像度だけではない。CRTの完全な置き換えを狙うなら「高輝度・高コントラスト比」で「広視野角」といった明るく見やすい液晶は当たり前で,モニターに表示された画像の全体的な明るさや色の彩度を調整する「ガンマ補正」といった機能も,ハイスペックモデルだけでなく普及機でも標準で搭載してきそうだ。


現在はハイスペックモデルにしかみられない「ガンマ補正」機能も標準搭載へ

 そのほかにも,省スペース化だけでなくマルチディスプレイ時にも真価を発揮する「薄型ベゼル」や,アナログRGBだけでなくデジタル信号のまま処理できる「DVI端子」の装備も標準化していきそうだ。さらにブロードバンド時代の動画コンテンツに対応するには「応答速度」も上げていかなければならない。

 2002年も,液晶ディスプレイ市場から目が離せなくなりそうだ。

[西坂真人, ITmedia]

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