News | 2002年10月22日 03:25 PM 更新 |
WPC EXPO 2002のアスキーブースは、本来のターゲットであるビジネスユーザーにとっては、同社の書籍を販売しているブースに映ったことだろう。しかし、一部の“コアユーザー”にとっては、広大な会場の中でも屈指とも思える、非常に興味深い展示が行われていた場所でもあった。
というのも、12月上旬発売予定の「MSXマガジン」で付録として収録されるWindows用MSXエミュレータ「MSX PLAYer」のデモが行なわれていたからだ。
この「MSX PLAYer」は、MSXユーザーのためのイベント「MSX電遊ランド」において、アスキーの前副会長・西和彦氏が開発を表明していた“公式エミュレータ”そのものであろうと推定される。
これを見て「ついに完成したのか!」と驚いたのは筆者だけではないだろう。だが、それだけではない。ユニークだったのは、そのデモに使われているPCだ。よく見なければわからないような展示方法ではあったが、マシンはソーテックの「AFiNA Tablet AT380B」。つまり、今をときめく(?)タブレットPCであったのだ。
MSX PLAYerの詳細な動作条件は不明ながら、本来は一般的なWindowsマシンであればいいはず。それをなぜあえて(AT380Bは発売されていないのだから、わざわざ借りて使っていると考えるのが自然だろう)タブレットPCなのだろうか? ブースにいた説明員からはその意図を残念ながら聞くことはできなかった。
だが、“最新PCの象徴”であり、Microsoftの目下の最重要戦略の1つともいえるタブレットPCで動作するMSXゲームというのは、ビジュアルとしては非常にシビれるものであったのは間違いない。また、MSX当時のアスキーとMicrosoftの関係を知っているユーザーは、この展示になにか象徴的なものを感じずにはいられなかっただろう。
「面白ければなんでもあり。過去に面白いものがあったのであれば、それに戻ったっていいじゃないか」――この展示に色濃く出ていたのは、そういう感覚ではなかったかと筆者は思う。それはある意味、現在の“コア”なPCユーザーの気分を代弁していたのではないだろうか。
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