News 2003年1月30日 09:43 PM 更新

東芝HDD&DVDレコーダ開発者に聞く(後編)――次の製品はどんなものになる?(1/2)

東芝のRD-Styleシリーズがユーザーの間で人気を得ている理由の1つは、「次はどんな進化を……」と“期待”させてくれることだ。後編では、次なる進化の方向性について話を聞いた

 従来から定評があった豊富な機能と使い勝手のよさに加え、東芝はRD-X3でハードウェア面の強化を図ってきた(インタビュー前編。「現状で最高の製品」と胸を張るRD-Styleの開発陣だが、もちろんそこに立ち止まっているつもりはない。

 「私にとって大事なのは、“RD-Style型”の商品が主流になったということ。そうなった以上、この分野のリーディングカンパニーとして、私たちは勝ち続けなければいけない」。東芝 デジタルメディアネットワーク社の片岡秀夫氏(DVD商品企画担当 担当主任)は力を入れてこう話す。

 その一環として、同社は今年、DVDレコーダの分野においてHDDを“内蔵しない”単体製品も投入する予定だ。「今年の目標は(“RD-Style型”を含めた)DVDレコーダ分野のナンバーワンシェアをとること。ワールドワイドではさらに、プレーヤーを含めた世界ナンバーワンを目指す」(同氏)。「やっぱり、DVDは東芝といわれるようになりたいですね」と、広報担当の勝俣健太氏も口を揃える。

 では、それを実現するためには、RD-Styleをどのように進化させていくつもりなのだろうか?

進化は“ツボ”にはまったエンジニアが起こす

 RD-X3は、前回も説明したようにRD-XS30/40をベースにハードウェア面をブラッシュアップした製品。片岡氏は、高価なHDD&DVDレコーダが急速に普及している日本を「世界でもユニークな市場」と評し、RD-XS30/40の購入者の分析データをもとに、XS30とXS40では、「明らかに違う(タイプの)人が購入している」という。

 「XS30を購入したのは。一般の人が多いようです。つまり、VHSを買おうと思ってお店に行ったけど、商品を見たり、お店の人の話を聞いたりした結果、『これからはやっぱりこれだよね!』と考えて買った人ですね。あらかじめ細かな機能を知っていたわけではない。むしろその場の“ノリ”で買ったといえるでしょう。一方、XS40は、いわゆる指名買いが多い。“RD-Style”のこれまでの流れを踏まえた上で選んでいる。おそらく、X3もXS40と同じになるんじゃないですか」(片岡氏)。

 このアンケートの中で、今後の進化を考える上でポイントになるのが、「どんな機能が良かったか」という項目だ。もちろんダントツは「HDDに録ってDVDに残す」点であることはいうまでもないが、それに次ぐのが、XS40に搭載されている「ネットdeナビ」機能だった。「HDDの容量もあったでしょうが、XS40を買った人は間違いなく、ネット機能に着目していた」(片岡氏)。

 この「ネットdeナビ」機能を開発したのが、同社デジタルメディアデベロップメントセンター AV設計第四部 第一担当の須田肇氏。そのきっかけが面白い。「休日に家内と出かけたときに、急に『あれが見たい』と言われると困る。だから個人的にメール機能だけは絶対に欲しかった(笑)」。

 須田氏によると、ネットdeナビの基礎となる機能は、ふだんの業務をやりながら、2週間ぐらいで開発したという。「それで何度家に帰れなかったことか……」(須田氏)。開発中にテストを繰り返していて、「自分が見たい番組がスカパーにたくさんあった」と気付き、実際にスカパーに加入してしまったりもしたそうだ。

 「自分でも使いたい」という気持ちを持ちながら、開発にのめりこむ。だから、本当に使いやすい機能が備わっていく。

 例えばネットdeナビ機能で片岡氏を「あまり目立たないが実はすごい」と感心させたのが、iEPG(Internet Electronic Program Guide)予約機能だ。「iEPG予約をPCからブラウザ経由でやるとき、iEPGサイトを表示してクリックしますよね。その時、普通はパソコンにデータが落ちてしまうんです。例えば、VAIOだとGIGAポケットが入っていて、そっちに予約が入ってしまう。でも、(ネットdeナビでは)それが入っていても大丈夫。ちゃんとRDに予約が入るんです」(片岡氏)。

 RD-Styleシリーズの人気の秘密である“かゆいところに手が届く”機能は、こういった背景から生まれたものが多い。「トリガー役は私がやるんですが、エンジニアが本当にやる気になってくれればくれるほど、いいものができる。エンジニアの“つぼ”にはまってくれれば、そこの機能は必ず進化するんです」(片岡氏)。

やりたいことにはキリがない

 「RD-X3は、(XS-30/40をベースにハイエンド機を開発するという)制約の中できることはすべてやりました。しかしやりたいことはまだまだあります」。RD-X3のハード面の設計を担当した桑原光孝氏は「やりたいことにはキリがない」と言う。「これはソフトもハードも同じ」と片岡氏も口を揃える。

 「いっぱい、やりたいことがでてきました。まだ、まだ、これから」というRD-Styleシリーズの開発者たちが、次にこだわる点はどこにあるのだろうか? 具体的な話はさすがに「ここでは言えませんが」ということだったが、ヒントになる話をいろいろと聞くことができた。

[北川達也, ITmedia]

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