News | 2003年4月9日 11:31 PM 更新 |
ここで問題になるのが個人認証と課金。携帯電話キャリア、ホットスポットを運営するISPごとに請求書がくると支払い作業が煩雑になるばかりか、ホットスポット利用/契約時における認証の手間もユーザーにとって負担になるとインテルは主張する。そのため、この課金と認証処理についても、シームレスで行える仕組みを彼らは提案している。
IDF JAPAN Spring2003でインテルが提案した具体的な構想は、携帯電話で使われているSIMチップによる認証方式をノートPCのネットワークチップに組み込むこと。SIMを実装したノートPCでホットスポットから無線LANにアクセスすると、認証データはアクセスポイントからWireless LANとWireless WANのゲートウェイを介して携帯電話キャリアのデータ網にアクセスする。あとは、携帯電話の課金システムで課金のカウントから請求、支払い業務が行われる。
このことからも分かるように、SIMによる認証システムと課金システムをノートPCで普及させるにはインテルだけでは不可能。携帯電話キャリアの協力が必須だ。
現在この方式を採用しているのはGSM/GPRSとW-CDMA。SIMをWireless LANモジュールに組み込んで、携帯電話と課金を一本化する方法はすでにノキアが欧州で行っているが、日本で主流のcdmaOneとPDCでは、現在のところ対応していない(cdmaOneでは規格としてコネクタなどが定められている)。
インテルは「日本の携帯電話キャリアにも協力をお願いする」としている。ただ、日本のキャリアが同社の申し出を受け入れるかどうかは、現時点では不透明だ。
加えて、この方式で単純に携帯電話の課金システムに乗せると、ホットスポットの課金が現在主流の定額制ではなく、従量制になりかねない。無論、そんなことは非現実的。インテルが日本でこの方式を普及させるためには、こういった部分での工夫・改良も必要になるだろう。
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