News | 2003年5月4日 11:59 PM 更新 |
LEGOブロックを使って作る“世界最小・最軽量の2足歩行ロボットキット”として話題となった「目玉おやじキット」。レゴジャパンからの販売中止要請といった苦難を乗り越え、3月末から再び販売が開始された。
ゴールデンウィークの“目玉企画”(?)として、発売元の「ほび〜しょっぷ・デジラ」に同キットの貸し出しをお願いし、目玉おやじを作ってみた。
送られてきたキットを見て、LEGOパーツの数が意外と少ないことに驚かされた。目玉おやじを構成するブロックは、モータを含めて22種類35パーツ。これで2足歩行できるロボットが本当にできるのかと、やや心配になる。
組み立て式のキットには、詳細なマニュアル(A4サイズ1枚)が添付されている。説明は日本語/英語/フランス語の3カ国語で並記されているが、文字よりも図解を多用しており、LEGO初心者でも簡単に組み立てられるように工夫されている。
小さい頃、LEGOで育った筆者は、ものの10分程度で目玉おやじを完成させることができた。
ただし、これで終わってはZDNetの企画としてつまらない。さまざまなブロックを組み合わせてオリジナルなロボットを作るのが、LEGOの醍醐味というもの。この目玉おやじキットをベースにすれば、作ったLEGOロボットがすぐに2足歩行しはじめるのだ。これこそ、LEGOベースの目玉おやじキットならではの楽しみ方だ。
現在、デジラで購入できる「目玉おやじEXキット」は、レゴ「ROBOTICS DISCOVERY SET」をベースに各種パーツを追加したもの。パーツ総数は391個で、これをベースにすることで、さまざまな改造が可能となる。
さすがに391個のパーツを貸し出すと失くされると思ったのか、デジラからは目玉おやじを作るための最低限必要なパーツしか送られてこなかった。ただし、“EX”になって変更された手足の拡張パーツのいくつかが同梱されていたので、それを組み上げてみた。
足の可動部が腕部パーツの根元部分に当たる構造で、歩行時に手がヒョコヒョコ動くようになっている。最小限のパーツで、これだけの動作ができるのには感心した。だがこのままではオリジナリティに欠けるので、初代目玉おやじの脚部パーツを手に見立てて、モノがつかめるようにした。
せっかく手も付いて本物の目玉おやじに近づいてきたので、こんなことをさせてみた。
「オリジナル2足歩行ロボット」に役立つ“食玩”
ここまでくると、昔の“LEGO少年”の血がうずいてくる。目玉おやじベースの「オリジナル2足歩行ロボット」が作りたくなったのだ。
さっそくLEGOパーツを買いに玩具店に物色に行くと、昔とは違うそのバリエーションの豊かさに驚いてしまった。筆者が幼少のころ遊んでいた20数年前のLEGOはほとんどが四角いブロックで、それを組み合わせて車や飛行機や家などを作って楽しんだものだ。しかし今は、恐竜やお城など初めから完成モデルがあって、それを組み上げていくタイプのものが多い。
もちろん、大小さまざまなブロックパーツが入った昔ながらのレゴ基本セットもあった。だが今回の企画では、大きなパーツが無駄になってしまうし、値も張るので(ちょっと欲しかったが…)断念。だが、小さなパーツだけ入ったような都合のいいセットは見当たらない。
乗り物や動物、映画、スポーツなどを題材にした「ストーリー&アクション」シリーズの中にはロボットもあるようだが、訪ねた玩具店には在庫がなかった。また、同シリーズは最低でも1000円以上と値が張り、LEGOベースで手軽に2足歩行ロボットを作るという今回の企画の趣旨に反する気がして、後ろ髪を引かれながらも玩具店を去った。
“世界最小・最軽量の2足歩行ロボット”をうたうだけあって、目玉おやじキットのサイズは52(長さ)×58(幅)×68(高さ)ミリと非常に小さい。LEGOが販売しているような“シリーズ物ロボット”のパーツでは大き過ぎて、目玉おやじに取り付けたら歩けなくなるのは必至だ。
ロボットらしく見えて、なおかつ小さなLEGOパーツがないものかと探していたら、ありました、ありました。それも玩具店ではなく、なんとスーパーマーケットに。
カバヤ食品が販売している玩具菓子――いわゆる“食玩”にLEGOシリーズがあり、その中の「バイオニクル」シリーズが、500円という手ごろな値段も含めて筆者の求めている条件にピッタリだったのだ。
カバヤ食品は1997年にLEGO社と提携。LEGOブロックとお菓子をセットにした「レゴシステム」を発売している。食玩のバイオニクルシリーズは、LEGO社から発売中の同名シリーズのカバヤオリジナル版で、2001年11月と2002年10月にそれぞれ4種類ずつ計8種類が発売されている。
初期のシリーズは、ヤッターマンに出てくる“今週のビックリドッキリメカ”みたいな貧弱なガイコツタイプなのだが、筆者が近所のスーパーマーケットで見つけたのは後期タイプで、ロボットとしてのデザインも洗練されている。
さっそく、目玉おやじに取り付けてみたら、こんな感じになった。
目玉おやじとカバヤの食玩ロボットの大きさがほぼ同じなので、ブロックパーツの流用もしやすい。パーツが増えて重くなることで2足歩行への影響が心配されたが、バイオニクル化した目玉おやじは、ちゃんと動歩行をこなしてみせた。今年のゴールデンウィークは、目玉おやじキットで久々に童心にかえって楽しめました。
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[西坂真人, ITmedia]
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