News | 2003年5月12日 07:24 PM 更新 |
「通常動作時の消費電力を抑えてパフォーマンスを向上させる」というPentium Mの特徴は、すでにいろいろなメディアでベンチマークの結果と共に報道されており、ユーザーからは概ね好評であるようだ。開発者たちも3月の取材では口をそろえて高く評価していたのは、ZDNetでもお伝えしたとおり。ただし、機構開発、基板開発者にとって、巨大なチップとピーク時発熱量が増えてしまうPentium M+Intel 855PMの組み合わせにはずいぶんと苦労させられたようだ。
基板を見たときに真っ先に考えたのが「これだけ凝縮された基板レイアウトと熱設計になると、バイオUシリーズにこれ以上のパワーアップを求めるのはかなり難しいのではないか」。U101のCPUは、なにかと噂のモバイルCeleron/600A MHz。SpeedStepを実装せず、わざわざPentium Mを最低クロックに固定してあるのは、熱的な問題のためか?
このあたりの事情を開発者に確認したところ、「モバイルCeleron/600A MHzの搭載は、主に価格的な問題。U101が20万円もしたら誰も買わないでしょう」とのこと。さらに「U101の開発開始当初はモバイル Celeron/600A MHzの存在を想定していなかったので、Pentium M/900MHzを意識して熱設計を行っていました」。この設計がほぼ完成した時点でCPUが変更されたため、熱設計はそのままとなっている。つまり「U101はPentium M/900MHzには耐えられます」と、発熱マージンはある程度残されているらしい。
U101の次期製品がどのようになるかは「まだ何も決まっていない」というものの、きょう体サイズを維持したまま、Pentium M/900MHzへの変更、さらに90ナノメートルプロセスのDothanで、もう少し速いCPUを搭載できそうだ。ただし「販売価格がU101の16万円台をキープできる」という最も厳しい条件をクリアしなければならない。
[長浜和也, ITmedia]
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