News | 2003年5月26日 11:01 PM 更新 |
Intel 875Pのデビューに遅れること約1ヶ月。Springdaleというコードネームで呼ばれていたIntel 865シリーズを登載したマザーボードが、店頭で大量に発売されている。
Intel 875Pがワークステーションまで含めたハイエンド市場をターゲットにしているのに対し、こちらは、Intel 845PE/GEの後継モデルとして、Pentium 4環境におけるメインストリームをターゲットにしている。
Intel 845PE/GEと比較して、FSBが533MHzから800MHzへとアップしたこととDDR400のデュアルメモリアクセスに対応したことから、相当のパフォーマンスアップが期待される。FSBもメモリバスもその帯域幅は6.4Gバイト/sec。PC2700のシングルメモリアクセスのそれは2.7Gバイト/secに過ぎない。
この帯域幅のアップがもたらすパフォーマンスを調べるため、お馴染みのベンチマークソフトを使って計測を行った。使用したベンチマークソフトは、SYSmark2002、3DMark 2001 SecondEdition Build330、TMPGEncによるエンコード時間測定、FinalFantasy XI Official Benchmark Ver.1.1(解像度1024×768ドット・32ビットカラー)の4つである。
3DMark2001では、解像度640×480ドット・32ビットテクスチャに設定し、ソフトウェアT&Lによるスコアを測定している。TMPGEncでは、DVフォーマットの31秒959フレームの動画を7MbpsのMPEG-2へエンコードした場合の時間を測定した。
テスト時のシステム構成は以下の通り。
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比較データは、同じ環境で測定を行ったAthlonXP 3200+ とnForce2 Ultra 400を組み合わせたスコアを用意した。
ベンチマーク結果
SYSmark2002では、Internet Content Creationのスコアが400を超え、AthlonXP 3200+を大きく引き離している。これは、テストにPhotoshopやMicrosoft Movie Maker、Media EncoderといったハイパースレッディングやSSE2に対応したアプリケーションを含んでいるため。一方、Office Productivityでは、AthlonXP 3200+を少し下回ったスコアになっている。
今回使用したベンチの中で、Pentium 4/3GHzが最も優位にたったのが、TMPGEncを使ったMPEG-2へのエンコード処理だ。AthlonXP 3200+の80秒に比べて65秒と、2割も早く終わっている。TMPGEncはマルチCPUに対応しているため、HTの効果が大きく貢献していると思われる。
3DMark2001 SEによるグラフィックスパフォーマンスはほぼ同じスコア。ソフトウェアT&Lでテストを行っているためCPUパワーが大きく影響する。CPUの処理能力はほぼ同等といったところだ。ただし、FF XIベンチの結果では、AthlonXP 3200+に大きく差を付けられる結果となってしまった。これは、AthlonXPがPentium 4に比べて、浮動小数点演算の能力が高いことが影響している可能性が高い。
ベンチマークのスコアを見る限り、Intel 865GとFSB 800MHz Pentium4の組み合わせは、Athlon XPのハイエンドモデルに負けない結果となっている。デュアルメモリアクセスや、ハイパースレッディングの効果を十分に発揮していると考えてよいだろう。
Intel 875Pと比較した場合、筆者がこれまで行ったベンチ結果を検討してみると、Intel 875PはIntel 865より3〜5%高いベンチスコアを出している。これは、ワンランク上のCPUに匹敵する数値だ。
Intel 875P搭載マザーボードは、Intel 865PE搭載マザーボードより5000〜1万円以上も高価。Intel 875Pマザーを買ってCPUをケチるよりは、Intel 865PEとワンランク上のCPUを組み合わせたほうがコストパフォーマンス的には有効。もちろん、ECCメモリを使いたい、とか絶対値として高いパフォーマンスが必要なユーザーならIntel 875Pのマザーボードを購入すべきであることは、言うまでもない。
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[寺崎基生, ITmedia]
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