満員電車にはうんざり!
東急電鉄「会社に行かなくても働ける」サテライトオフィス開設 その効果は

2017年03月29日 10時00分 更新
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 「身動きが取れない」「会社に着く前に疲れる」――毎朝、満員電車による通勤ラッシュにうんざりしている人は少なくないはずだ。そんな悩みを解消する取り組みが、東急線沿線を中心にじわりと広がっているのをご存じだろうか。

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NewWork 渋谷イースト店

 プロジェクト名は「NewWork」。東京急行電鉄(以下、東急)が2016年5月に始めたこの施策は、東急線沿線などに“サテライトオフィス”を設け、自社だけでなく一般企業も対象にしている。スタートから約10カ月たち、今では毎月数百人がこのオフィススペースを利用して働いているという。

 「会社出勤と在宅勤務の中間の選択肢を」――東急でNewWork事業のプロジェクトリーダーを務めている永塚慎一さんはこう話す。永塚さんと同社の小松原岳さん(人材戦略室労政課主事)に、取り組みのきっかけと、これまでに得られた成果を聞いた。

NewWork誕生のきっかけ

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NewWork事業のプロジェクトリーダーを務めている永塚慎一さん

 NewWorkは、渋谷や吉祥寺、二子玉川、横浜など東急線沿線を中心に展開しているシェアオフィス。カフェのような落ち着いた空間にフリーアドレス型のデスク席を配置し、好きなタイミングで来館して作業できるのが特長だ。提携店を含め、1枚のライセンスカードで全国約50カ所のオフィススペースを利用できる。

 NewWorkオープンに向けた検討が始まったのは、今から数年前のこと。「東急が手掛けている不動産事業の顧客はIT企業が中心となっていて、モバイルPCが1台あれば働ける会社が多い。サテライトオフィスのような場を作ればニーズがあると感じていた」と永塚さんは振り返る。

 NewWorkで「会社に来なくても働ける」という環境を実現できれば、社員や就労希望者にメリットがある。利用企業からすると、利用者の生産性向上や、災害時の緊急拠点(BCP対策)としての活用も見込めるという。

 しかし鉄道事業者である東急としては、電車になるべく乗って通勤してほしいはずでは――そう尋ねると、永塚さんは「選ばれる沿線にしないと意味がない」と話す。「利用者が『この路線は毎朝すごく混雑するから乗りたくない』と思い、沿線に住んでもらえなくなるのは残念。東急線沿線に快適に住んでもらうためにも、NewWork事業を提案しました」。

 そして16年5月、NewWork1号店を横浜にオープンし、一般企業向けに公開。その直後の6月からは、東急社内の従業員にもNewWorkを利用してもらおうと、社内制度化を念頭に一部社員へのトライアル利用をスタートした。

いざトライアル開始……その成果は?

 NewWorkの利用は簡単だ。ユーザーにはあらかじめ専用ICカードを配布。入口にカードをかざせばドアが開閉し、入退館できる仕組みだ。部外者の侵入を防げるほか、入退館履歴を記録することで、利用する企業が労務管理代わりに活用できるという。

 さまざまな企業の従業員が同じ空間で仕事することを考え、秘匿性の高い会話ができる会議スペースやテレフォンブース、仕切りのある個室席も用意。Wi-Fi環境、電源コンセントに加え、無料で使える複合機も備えている。

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会議スペースも用意

 東急の社内トライアルは、東急本社に勤めている約1500人のうち、約300人を対象にスタート。9月にはサテライトオフィス勤務制度として本格的に導入し、対象者をモバイルPC、タブレット端末を支給している約700人に拡大した(2017年3月現在)。所属部署の上長からの承認が得られれば、月に何度でもNewWorkで働いていいようにした。

 導入効果は表れつつあるという。特に効果が目立っているのは「残業時間の削減」だ。

 例えば、横浜エリアを担当しているチームはこれまで、現場と渋谷本社を行き来することが必要だった。しかし横浜にあるNewWorkの活用で移動時間を削減でき、“直行直帰”も可能になったことで、「1年で最も忙しい時期でも、その前の月と比べて残業時間が減った」(小松原さん)という。

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人材戦略室労政課主事の小松原岳さん

 利用権利がある社員約700人のうち、1回でもNewWorkを利用したことがあるのは400〜500人にも上るという。しかし無制限で使えるとなると、執務をしているふりをしてサボってしまう社員もいるのでは――そう尋ねると、小松原さんはある“秘けつ”を教えてくれた。

 小松原さんによれば、東急はMicrosoftの法人向けコラボレーションツール「Office 365」を活用し、スケジュール共有やコミュニケーションを実施。例えば「Microsoft Lync」(現Skype for Business)によって社員がオンライン状態かどうかを把握できるため、サボりなどの心配はほとんどないという。

 さらにこれらのツールの活用メリットは、上司から見たときの“サボり防止”にはとどまらない。

 「部下の立場からすると、サテライトオフィスを利用すると『上司からサボっていると思われるのでは』という不安があるという調査結果が出ていました。(Microsoft Lyncの利用は)部下がきちんと働いていることが上司に伝わる点でも、お互いに安心できる仕組みだと思います」(小松原さん)

「通勤時間が120分から20分になった」

 社内向けとは別に、5月には外部企業向けにNewWorkスペースの提供を開始。会員登録した企業が「定額制」「時間課金制」のどちらかで利用できるようにした。

 事業開始から約1年間が経ち、効果は着実に現れているという。東急のアンケート調査(複数回答)によれば、ユーザーからは「業務効率が上がった」(80.36%)「残業時間が減った」(10.71%)、「プライベートの時間が有効に使えるように」(48.21%)など、好意的な感想が寄せられているという。

 「ほとんどのユーザーから『仕事に集中できる』『通勤時間が減った分、業務時間に使える』と好評でした。ユーザーの中には、通勤時間が120分から20分へと、80%以上削減できたという人もいます」(永塚さん)

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 業務効率が上がる背景として「会社にいると頻繁に相談を持ちかけられたり、重要ではない会議に呼ばれたりして、そのたびに仕事が中断し、なかなかはかどらないこともあるのでは」とも永塚さんは指摘する。「本当にタスクがたまっているときに、NewWorkを集中的に利用する人もいます」。

 ユーザーが利用する時間帯を見ると、朝に自宅から直接New Workに出向いて働くユーザーが62.5%と最多だという。「混雑時間帯を避ける『オフピーク通勤』を推進するために、NewWorkを利用してほしいと考えていました。私たちの狙い通りの結果が出ています」(永塚さん)。

働き方改革は「制度・風土・マインド」をセットに考える

 東急の社内では、NewWorkの制度導入に合わせ「スライド勤務」(※)などを活用し、直行・直帰を推奨したり、きめ細かなコミュニケーションによって業務の目的や求める成果をより明確化したりするように、管理職に対して伝えたという。「私たちは働き方改革に向けて『制度・風土・マインド』をセットに考えています。サテライトオフィスやその他の制度が導入されても、会社の風土や個人のマインドを変えていかないと仕事のやり方そのものは変わりませんから」と小松原さんは話す。

(※)出勤時間の定時を午前9時半としつつも、午前7時半〜10時半の間なら30分ごとにいつ出勤してもよいとする制度

 モバイルPC、タブレットなどが普及した今、「社内にいなければ社員はサボる」という考えは古くなりつつある。むしろ時間や場所の制約にとらわれず、生産性を向上させる方法はいくつもある。あなたの会社でも、最新のITツールを生かしながら、そうした新しい働き方を取り入れてみてはいかがだろうか。

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