YouTubeの著作権対策機能は「鼻歌」も検出する:Weekly Access Top10
ユーザーが鼻歌を歌って投稿したYouTube動画も検出し、権利者に通知するという著作権侵害対策機能がYouTubeでテスト稼働中だという。
ITmedia ニュース Weekly AccessTop10
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先週は、楽天子会社のカナダKoboが7月19日に発売した電子書籍端末「kobo Touch」に関するインタビュー記事がトップに。購入した一部のユーザーから「アクティベーションできない」などの不具合報告が相次ぐ中、公式サイトのレビューを非表示にした理由などを役員に聞いた記事内容が話題となった。
ところで記者は今日、Google日本法人によるYouTubeの機能説明会を取材してきた。ユーザーがYouTube動画に広告を掲載して収入を得られる「YouTubeパートナープログラム」の収入額が3年で4倍になったことなどが紹介された中、もう1つ印象的だったのがコンテンツ権利者向け著作権侵害対策機能「コンテンツID」の新機能だ。
コンテンツIDとは、権利者が事前に登録した動画について、全く同じ動画だけでなく似た動画や、一部が一致する動画も自動でピックアップして権利者に通知するという機能。Googleは同機能を「3000万ドル以上投資して開発した」(同社の水野有平執行役員)といい、2007年のスタート以降もいまだに研究開発を進めているという。
この日コンテンツIDの新機能として紹介されたのは、ユーザーが投稿したいわゆる“歌ってみた動画”なども自動でピックアップして権利者に通知するという「メロディーID」機能。権利者が事前に登録した動画に近い音階の変化を持つユーザー動画を自動で検出するというもので、精度は「鼻歌でもマッチする」「けっこう音痴でもマッチする」レベルだという。
コンテンツIDによって不正な動画を発見した権利者は、動画を視聴不能にする「ブロック」のほか、ユーザー動画の公開を許可する代わりに広告を表示して収益を受け取れる「マネタイズ」などの手段を取れる。メロディーIDの追加は「作曲者にとってメリットがあるのでは」と水野氏はみる。
新機能は権利者からの要望によって追加したのではなく、あくまで同社のエンジニアが「こんなこともできるのでは」と開発したものだと水野氏は説明。「まだデモ段階で正式なリリース日は決まっていない」ものの、システムの裏側では既にテスト運用が始まっているという。
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