NSA、分析する情報は全トラフィックのわずか0.00004%と弁明
オバマ大統領は9日、米政府による個人情報収集について記者会見を開き、情報収集活動の透明性を高める対策を発表。同日NSAは、活動について説明する文書を公開した。
米連邦政府のバラク・オバマ大統領は8月9日(現地時間)、米国家安全保障局(NSA)が個人情報を極秘に収集していたとされるいわゆる「PRISM問題」について、国民の信頼を回復するための対策について発表した。
オバマ大統領は、「情報収集活動は権力の乱用につながらない形で行われている」とし、透明性を高めることでそれを国民に理解してもらうよう努めると語った。
具体的には、情報収集活動に関する法律の見直し、プライバシー問題の専門家のNSAへの配備、活動についての第三者による調査実施、年内の報告書公開という4つの対策を発表した。
同日、NSAはインターネット上のユーザーデータ(メールアドレスや“コミュニケーション”など)の収集・分析に関する説明文書と、通話記録収集に関する説明文書を公開した。
説明文書では、元CIA職員のエドワード・スノーデン氏が暴露した極秘プログラムPRISMについての具体的な説明はなく、極秘調査プログラムは2001年9月11日に起きた同時多発テロの後、同様の大規模テロを未然に防ぐ目的で立ち上げられたことや、このプログラムによって幾つかのテロを防げたことを説明。
インターネット上では1日当たり1826Pバイトの情報が行き交っているが、NSAが“触れる(touch)”のはその1.6%にすぎず、さらにレビューするのはその中のわずか0.025%という。NSAのアナリストの目に触れるのは世界のネットトラフィックの0.00004%であり、世界のトラフィックをバスケットコート(15×28メートル)に例えるなら、NSAが収集するデータは10セント硬貨(直径約18ミリ)に相当すると説明している。
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