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広島・長崎を世界に伝える――「Google歴史アーカイブ」で原爆関連資料をデジタル展示
20世紀の歴史的瞬間を物語る資料をオンライン公開するプロジェクト「Google 歴史アーカイブ」に、広島平和記念資料館と長崎原爆資料館の原爆関連資料が追加された。
Google日本法人は8月19日、広島平和記念資料館と長崎原爆資料館と協力し、両施設が所蔵する原爆に関する歴史的資料の一部を「Google歴史アーカイブ」で公開した。日本にまつわる資料の公開は初めて。
「Google歴史アーカイブ」は、20世紀の歴史的瞬間に関連した写真や文書、動画などの資料をネット公開するプロジェクト。ホロコーストやアパルトヘイトなど42テーマを公開している。
広島平和記念資料館からは全55点の写真資料と「失われた街を偲んで」「最期の言葉」など4つの展示、長崎原爆資料館からは全176点の写真資料と1点の動画に加え、「長崎原爆と浦上天主堂」「長崎原爆と植物」など3つの展示が掲載されている。資料の説明文は英語でも読むことができる。
岸田文雄外務相は、公開に当たり「『デジタル展示』という新しい手法により、核兵器使用の惨禍の実相を幅広く国内外に伝えていただくことは、我が国の道義的責務に合致するものであり、特に戦争の時代を知らない若者や海外の方など、一人でも多くの方々に核被害の実相・悲惨さを感じ取っていただけることを期待する」とコメントしている。
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