米Yahoo!が検索サービスなどを含むネット事業を売却するとの観測が強まっている。マリッサ・メイヤーCEO就任後も業績は好転しないためで、12月2日(現地時間)から4日までの予定で開かれる取締役会で議論されるとみられる。
米Wall Street Journalは、買収には米携帯キャリア最大手のVerizonや、Askなど多数のネット企業を傘下に持つIACなどが名乗りを上げるだろうと報じている。検索・ポータルサイトの老舗が本業の売却を検討するという衝撃的なニュースの行方を、米IT業界も固唾を飲んで見守っている。
Yahoo!は300億ドル相当の中国Alibaba株を保有しており、これを別会社に切り離して節税しながら売却益を得るスキームを打ち出していたが、米税務当局の反対で頓挫。株主からは同計画をやめ、代わりに検索サービスやYahoo! Mail、Yahoo! Newsなど、中核となるネット事業の売却を求める案が提出されていた。
メイヤーCEOはTumblrの買収など新施策を相次ぎ打ち出したが、業績が好転するには至っていない。同社の企業価値はAlibabaや、対照的に好調なYahoo!JAPANの保有株式分が多くを占めるとされており、本業の売却方針が伝わった市場では同社株価が急騰するという皮肉な状況になっている。
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