米Yahoo!、Googleと検索・広告契約を締結 Microsoftとの契約も継続
米Yahoo!が、予想を下回る第3四半期の業績発表と同時に、Googleとの検索および広告に関する契約締結を発表した。同社は4月、Microsoftとの10年契約の内容を改定し、提携先を自由に追加できるようになっていた。
米Yahoo!は10月20日(現地時間)、米Googleと検索結果と広告に関する契約を締結したと発表した。2018年12月までの約3年間、Yahoo!は自社ポータルおよびサードパーティーサイトでGoogleの検索および広告ネットワークを選択的に利用できる。
Yahoo!は米Microsoftとの検索/広告契約も継続する。この10年契約は2009年7月に発表されたもので、Yahoo!がMicrosoftのBing検索エンジンを採用し、Yahoo!サイトの検索アルゴリズムおよび検索広告プラットフォームとするというものだ。両社は今年4月、契約内容を改定し、デスクトップ検索で表示すべきBing広告が全体の51%になるなど、Yahoo!の自由度が高まっていた。
Yahoo!とGoogleとの契約で、GoogleはYahoo!のサイトに掲載された広告経由の収入のうち一定割合をYahoo!に支払い、一方Yahoo!から画像のリクエストなどに応じて手数料を受け取る。契約はデスクトップおよびモバイルに関するもので、クエリーを利用する割合はYahoo!が決定できる。Yahoo!のマリッサ・メイヤーCEOは元Googleの幹部。
米分析会社Net Applicationsによると、9月の世界検索エンジン市場(デスクトップ)のシェアトップはGoogleの67.49%で、米Yahoo!は10.77%の2位。MicrosoftのBingは3位(10.67%)だ。モバイルではGoogleが91.28%と圧倒的シェアを持つ(米Yahoo!は2位で5.52%)。
Yahoo!が同日発表した第3四半期(7〜9月)の業績は、売上高が前年同期比7%増の12億2600万ドル、純利益は99%減の7626万ドル(1株当たり0.15ドル)で、市場予想(売上高が12億5600万ドル、純利益が0.17ドル)を下回った。前年同期に計上した中国Alibaba株の売却益がなくなったことが響いた。
なお、日本のヤフーはソフトバンクとの合弁会社で米Yahoo!とは独立しており、今回の契約更新とは無関係だ(ヤフーの検索エンジンはGoogle)。
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