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魚を食べてメタボ解消? 魚の油分が脂肪を燃やすメカニズム、京大が証明
魚に含まれる油分が、脂肪を分解させる「褐色脂肪細胞」の増加を促すことを、京都大学の研究グループが実証した。
京都大学の研究グループは12月18日、魚に含まれる油分(魚油)が脂肪を分解し熱にする「褐色脂肪細胞」の増加を促進することを証明したと発表した。成果は英国科学誌「Scientific Reports」(電子版)に17日付で掲載された。
魚油の主成分のドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペタエン酸(EPA)を摂取すると、消化管の感覚神経が活性化し、ノルアドレナリンの放出が増加。脂肪を貯め込む脂肪細胞が褐色化し、褐色脂肪細胞が増える過程で、脂肪の燃焼とエネルギー消費が促進されるという。
近年、体内の褐色脂肪が加齢に応じて減少すると、中年太りやメタボリックシンドローム、生活習慣病につながることが判明。疫学研究では魚油に脂肪抑制の効果があると報告されていたが、これまで詳細なメカニズムは分かっていなかった。
新たな機能性食品や医薬品の研究基盤を提供するとともに、効率的な食生活の提案や魚介類の消費拡大に寄与する可能性があるとしている。今後、メタボリックシンドロームの改善による健康寿命の延伸に着目し、研究を進める予定だ。
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