Microsoft、海中データセンターをテスト中 天然水冷で将来は潮力発電も
Microsoftの研究部門、Microsoft Researchが、サーバラックを積んだ円柱形のコンテナを海中に沈めて稼働させることで“天然水冷”を可能にするデータセンタープロジェクトを発表した。将来的には潮力発電でさらにエコにしたいという。
米Microsoftの研究部門、Microsoft Researchは2月1日(現地時間)、海中データセンタープロジェクト「Project Natick」(コード名)を発表した。プロトタイプのテストを2015年8〜11月にカリフォルニア沖の海底で実施し、現在その結果を解析中という。
データセンターの1単位は、サーバを内蔵する直径約2.4メートルの金属製の円筒形のコンテナ(Xboxの人気ゲーム「Halo」のキャラクターにちなんで「レオナ・フィルポット」と名付けられた)。海中で稼働させることにより、データセンターの大きな問題である発熱を、海水で冷却できる。また、将来的には電源を潮力発電で供給したいとしている。
また、コンテナ式なので、コンテナを大量生産すれば、大規模な海中データセンターでも90日で構築できてしまうという。レオナの寿命は内蔵するサーバの寿命と同じ約5年だが、引き上げたコンテナに新しいラック一式を組み込むことで再利用できる。
このプロジェクトはまだ研究途上で、実用段階になるのはまだ先のことだ。Microsoft Research NExT担当副社長のピーター・リー氏は「サティア・ナデラのようなCEOの面白いところは、実際的なビジネスマンである半面、脳みその半分(右脳)では“ムーンショット”(訳注:実現不可能に見えるプロジェクト。米Googleの得意分野)が大好きな夢想家であることだ。Natickプロジェクトはムーンショットではあるが、Microsoftのコアな事業と完全に分断されているわけではない」と語った。
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