「Firefox 48」、マルチプロセスウィンドウ機能がいよいよロールアウト
MozillaがWebブラウザ「Firefox」をバージョン48に更新した。1つのタブの問題をブラウザ全体から切り離す「マルチプロセスウィンドウ」が一部のユーザーで有効になった(数週間かけてローリングアウトの予定)。脆弱性修正は、「最高」3項目を含む23項目実施された。
米Mozilla Foundationは8月2日(現地時間)、Webブラウザ安定版のアップデートとなる「Firefox 48」をWindows、Mac、Linux、Android向けに公開した。
Mozillaが長年推進してきた、Firefoxの性能、安定性、セキュリティ強化プロジェクト「Electrolysis」の第一フェーズとして、Firefox 48のユーザーの一部で、ブラウザのインタフェースをWebコンテンツレンダリングと別のプロセスで実行できるようにした。
この変更は大きなものなので、まずはユーザーの1%程度を対象にテストし、問題がなければ向こう数週間をかけてFirefox 48の全ユーザーに“ローリングアウト”していく。
マルチプロセス機能が使えるかどうかは、URLバー(awesome bar)に「about:support」と入力して「トラブルシューティング情報」を表示し、「アプリケーション基本情報」の「マルチプロセスウィンドウ」をチェックする。「1/1(有効)」になっていれば有効だ。
マルチプロセスウィンドウでは、例えば1つのタブで問題が発生してクラッシュしても、Firefox全体には影響しなくなる。米GoogleのChromeブラウザでは同様の機能を立ち上げ段階から採用している。
ユーザーインタフェース関連では、URLバーのサジェスト機能が少し変わり、クエリを入力した際に表示される候補が多くなった。ブックマークされているページや、すでに開いているページはアイコン表示される。
セキュリティ対策の一貫として、米AppleのOSであるOS X 10.6 Snow Leopard、OS X 10.7 Lion、OS X 10.8 Mountain Lionのサポートを終了した。Android版では、Android 2.3(コードネーム:Gingerbread)のサポートを終了した。
アドオンのセキュリティ関連では、アドオン署名を強制にした。無署名のアドオンはロードできない。
また、Googleの不正コンテンツ阻止サービス「Safe Browsing」採用のダウンロード保護機能が改善され、ダウンロードしようとしているアプリファイルに関する警告表示が分かりやすくなった。
セキュリティ関連では、重要度「最高」3項目、「高」7項目を含む計23項目の脆弱性が修正された。
Android版の新機能についてはリリースノートを参照されたい。
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