Facebookの広告ブロックツール無効化にAdBlock Plusが早くも回避策「いたちごっこは続く」
Facebookが広告ブロックツール利用ユーザーへの広告の強制表示を発表した2日後、オープンソースの「AdBlock Plus」の提供企業がフィルターリストを更新し、ニュースフィードでの広告ブロックを再度可能にしたと発表した。
米Facebookが2日前に開始した広告ブロックツール利用ユーザーへの強制広告表示を早くも回避した──。オープンソースの広告ブロックツール「AdBlock Plus」を提供する独Eyeoが8月11日(現地時間)、そう発表した。向こう数日中にフィルターリストが自動アップデートされる見込みだ。
Facebookは9日、ユーザーが希望しない広告を簡単に非表示設定できるようユーザーインタフェースを改善する代わりに、広告ブロックツールを使っている場合でも強制的に広告を表示するようにしたと発表した。同社は、広告ブロックツールの提供企業の中には、サービス提供者に対し、ブロックリストから広告を除外する(=広告を表示できるようにする)ことと引き換えに対価を要求するところ(Eyeoも「Acceptable Ads」イニシアチブでそうしている)もあるが、それを受け入れるよりはユーザーにも有益と判断した広告を表示する方がユーザーにとっても良いことと判断したと説明している。
Facebookは無料で使えるサービスであり、その売上高の97%(直近の業績発表より)は広告収入だ。
Eyeoは、「Facebookはまたすぐに広告ブロック回避策を講じるだろう。オープンソースの広告ブロックコミュニティーとそれを回避する企業の戦いは、広告ブロック技術が発明された当初から続いている。Facebookがまたブロックを回避したら、広告ブロックコミュニティーもまたその対策を講じるまでだ。いたちごっこは続く」と語った。
AdBlock PlusにはWebブラウザの拡張機能(Chrome、Firefox、Internet Explorer、Edge、Opera、Safari版などがある)とモバイルアプリがあり、いずれもフィルターリストと組み合わせて使う。フィルターリストはコンテンツ内の広告特有のコードを検知して広告と判断するためのものだ。
Facebookはこのフィルターリストで検知する広告特有コードを書き換えたとみられる。AdBlock Plusのコミュニティーがこの書き換えを見つけ、対応した。Eyeoはユーザーに対し、「このフィルターはまだ十分にテストしていないので、ブロックし過ぎ(広告以外もブロックする)などの問題があったら報告してほしい」と呼び掛けている。
Facebookはこの件について米Fortuneに対し、「これはユーザーにとって良い利用体験ではないので、問題を解決する計画だ。広告ブロックツールは不完全なツールだ。だからこそわれわれは広告をブロックするのではなく、表示する広告の制御をユーザーの手に委ねるためのツールを構築している」と語った。
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