伊勢丹新宿本店地下1階の和酒売り場に、人工知能(AI)搭載アプリを利用したサービス「AI利き酒師」が登場した。3種類の日本酒を試飲後、感じた味覚を店頭のタブレットで選択すると、30種類の日本酒の中から好みに合う1本をAIが選んでくれるという。利用は無料。これはITmedia ニュースの酔いつぶれ担当として試してみなければと使命感にかられ、行ってきた。
店頭には、カラフル・ボードが開発した独自の人工知能アプリ画面を開いたタブレット端末が数台置かれ、その前には1〜3と書かれたコップが用意されている。
お酒は1番から甘味の強いもの(節五郎 出品酒)、スッキリとしたもの(越野寒梅 白ラベル)、コクのあるもの(大七 純米生もと)の順。これら3種類の日本酒を試飲し、「甘味」「酸味」「旨味」「芳醇(コク)」「余韻」をそれぞれ5段階で評価すると、自分の味覚を分析したグラフが登場する。
最後に、日本酒と一緒に味わいたい食べ物を「佃煮(肉・魚)」「魚の粕漬け」「ごま豆腐の「ちりめんじゃこ」「漬物(白菜)」「焼き鳥(タレ)」「刺身(白身)」「刺身(赤身)」の中から1つ選択する。すると、画面に「おすすめの日本酒」が表示される。
筆者の場合は、なかなか手に入らないという「醸し人九平次 HUMAN」が出た。店員によると、白ワインのような日本酒で、キレというよりは後に残る味で、酸味の効いたものだという。飲んでみると……なるほどたしかに!
開発元によれば、試飲して入力した情報に基づきその人の舌の構造を解析。アルゴリズムの開示はされていないものの、その人の舌にとって「その日本酒がどういう味に感じられるか」を予測する技術を活用しているという。今後は「ユーザーによるフィードバックを反映してマッチング精度を向上させる」といった仕組みも導入予定。
「AI利き酒師」の提供期間は8月24日から29日まで。同アプリを利用し、9月14日からはワイン売り場で好みに合うワインを提案するという。
(太田智美)
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