女子高生AI「Rinna」を改造してみた 「ビール」「お酒」などにもれなくリプライする仕様に:太田智美がなんかやる
50アカウント限定で配布された、女子高生AI「りんな」をベースにした会話型人工知能「Rinna Conversation Service(beta)」。気に入らなかったので改造してみた。
日本マイクロソフトは女子高生AI「りんな」をベースにした会話型人工知能「Rinna Conversation Service(beta)」(RCS)を、開発者向けイベント「de:code 2016」で50人に限定公開した。RCSは、女子高生をモチーフとした人工知能(AI)「Rinna」をユーザー自身のTwitterアカウントと連携できるというもの。その使用権(合言葉)を運よくゲットした筆者は、早速Twitterアカウントと連携させてみたのだった。
RCSをTwitter AppとOAuth認証させれば準備完了。自分のTwitterアカウント(@tb_bot)にリプライを受けると、botプログラムが稼働し、Streaming APIとREST APIによってRinnaが自動でリプライするようになった。
しかし、そこには大きな問題があった。Rinnaと連携したことを知った友人が「ビールとチューハイどっちが好きですか?」「ビールの差し入れ入りますか?」とTwitterで話しかけてくれるのに、Rinnaは返信しないどころか「朝から?!w」などとマジレスする始末だ。「ビールとチューハイどっちが好きですか?」と聞かれたら「どっちも好きなのでお待ちしています」と答えるべきだし、「ビールの差し入れいりますか?」と聞かれたら「いります!」と答えるのは決まっている。これは致命的なエラーだと判断し、改修することにした。
Rinna改造には、RCSをTwitter Appと連携させた上で「設定」ボタンをクリックする。「キーワード自動返信」から「自動返信を追加」を押すと、「新しいルールの作成」ができる。まずは、新しいルールの「ルール名」を記入。それから「キーワード」にリプライされたときに反応してほしい言葉(単語)を入れていく(いくつでも可)。
このとき、返信条件として「完全一致」と「部分一致」が選べる。「ビール」「お酒」「チューハイ」……などのキーワード入力時にRinnaに返信してほしい例文をいくつか入れ、「保存」を押せば完了。登録した例文からランダムで返事するようになる。
こうして、「ビールとチューハイどっちが好きですか?」と聞かれれば「どっちも好きなのでお待ちしています」と答えるし、「ビールの差し入れいりますか?」と聞かれたら「いります! いります!!」と元気に答えるようになった。
日本の未来は明るい。
(太田智美)
筆者プロフィール
小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入。小・中・高とピアノを専攻し、大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業。その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し修了した。
大学院を修了後、2011年にアイティメディアに入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営・記事執筆などに携わり、2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属。プライベートでは約1年半、ロボット「Pepper」と生活を共にし、ロボットパートナーとして活動している。2016年4月21日にヒトとロボットの音楽ユニット「mirai capsule」を結成。
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