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超音波合成×画像識別で「しゃべるお花」はつくれるか?太田智美がなんかやる

ITで「しゃべるお花」をつくるためにはどのような技術が必要? 月末金曜日にソフマップに並ぶ秋葉原のおじちゃんとこに行って知恵を借りた。

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 太田智美です、こんにちは。

 「ふしぎの国のアリス」に出てくるしゃべるお花の世界をつくりたい――そんな思いから始まった「しゃべるお花」プロジェクト。実現しようとしたものの、自力では難しいことに気付いた筆者は、毎月末金曜日にソフマップに並ぶ秋葉原のおじちゃんのもとを訪ねた。


「しゃべるお花」プロジェクト
月末金曜日には必ずソフマップに並ぶという青木さん

 このおじちゃんは、ロボットを開発しているアールティの社員・青木さん。まずは頭の中でイメージする世界をホワイトボードに書き、「お花さんたちが歌う花園」の世界を青木さんに説明する。


「しゃべるお花」プロジェクト
筆者の頭の中を外部出力した図

 まず考えなければならないのは「入力トリガー」。お花がしゃべるためには、何をトリガー(きっかけ)としてしゃべり始めるのか決める必要がある。少し悩んだ結果、トリガーは「揺れ」に設定。

 次に、お花が揺れを検知する方法を考える。「それなら花の茎に針を刺して、その針の動きによって音のON/OFFを切り替えればいい」(青木さん)――これは一見いい案に思えたが、実物を想像してみるととても採用できない。茎に針を刺したら、お花はしゃべるどころか死んでしまう。

 そう伝えると青木さんはしばらく考え、思い付いた――「画像判定はどうか?」。

 PCと接続したカメラを地面に置き、お花の揺れを検知。お花が動いたと画像判定するとPCに信号が送られる仕組みだ。これは良さそう。揺れの検知方法が決まった。

 さて、次はお花から音を出す番。ここでもう1人のおじちゃん(山本さん)が登場する。山本さんは「カイザー」の名で知る人ぞ知る秋葉原のカメラマン。ローアングラーとして名高く、車の絶対領域(地面から車の下の空間部分)をシャッターに納めてはにんまりしている。


「しゃべるお花」プロジェクト
ローアングラー山本さん

 山本さんは音の出し方を提案する――「超音波の合成を使ってみてはどうだろう。超音波スピーカーを左右2カ所に設置して同時に音を出せば、それら音の波が交わったところから正面に向かって音が聞こえてくる。その音の波が交わるところにお花を置けば、お花から音が出ているように聞こえる」。さすがは秋葉原の重鎮、名案だ。

 実現方法が定まったところで、おじさんたちは計算を始めた。「カメラが1万円で、PCが5万円。それから超音波スピーカーが1個2万円だから……全部合わせると10万円ちょっとだね!」。編集部にそんな予算はない。

 ……さようなら、超音波スピーカー……。(つづく)

筆者プロフィール

プロフール画像

 小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入。小・中・高とピアノを専攻し、大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業。その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し修了した。

 大学院を修了後、2011年にアイティメディアに入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営・記事執筆などに携わり、2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属。プライベートでは約1年半、ロボット「Pepper」と生活を共にし、ロボットパートナーとして活動している。2016年4月21日にヒトとロボットの音楽ユニット「mirai capsule」を結成。

太田智美

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