「嵐」ツアーのキャンペーン、抗議受けてもなぜ継続? チケットキャンプに聞く
チケットキャンプの「ジャニーズ応援キャンペーン」にジャニーズ事務所が抗議。それでもキャンペーンを続ける理由は……。
チケット転売サイト「チケットキャンプ」が11月16日に始めた、「嵐」のツアーチケットの取引手数料を無料にするキャンペーンについて、「ジャニーズの名称が無断で使われている」とジャニーズ事務所が抗議した。「チケット転売は規約違反」とし、転売チケットは「無効にする」とも表明している。
チケットキャンプはこれを受け、キャンペーンページからジャニーズのロゴなどを削除したが、キャンペーン自体は継続。「手数料無料化で嵐のファンを応援したい」と、継続を決めたという。
22日現在も、嵐のツアーチケットが3200件以上、最高30万円でチケットキャンプに出品されている。チケットキャンプで取引されたチケットが無効になる可能性もあるが、その場合は「返金に応じる」という。
ジャニーズのロゴ無断使用 「確認不足だった」
チケットキャンプは、ミクシィ子会社のフンザが運営する国内最大のチケット転売サイト。問題のキャンペーンは、嵐のツアーチケットの出品・購入手数料(取引価格の5%/チケット価格8000円以上の場合)を無料にする「ジャニーズ応援キャンペーン」として16日にスタートした。当初はジャニーズ事務所のロゴをあしらった告知バナーを掲載し、対象のチケットに「ジャニーズ応援」のラベルを記載していた。
ジャニーズ事務所は19日に公式サイトで公開した声明で、このキャンペーンについて「ジャニーズの名称が無断で使われている」と抗議。チケットキャンプは20日、ジャニーズのロゴ入りバナーを削除し、ラベルは「ジャニーズ応援」から「手数料無料」に変えた。
チケットキャンプ側は「ジャニーズ事務所の商標の使用は確認不足だった。指摘を受け、商標を削除した」と説明している。
一方で、キャンペーン自体は継続。「キャンペーンはジャニーズファンを応援するもの。手数料を無料にすることで少しでもファンの負担を軽減し、応援できれば」と考えたという。
チケットキャンプは、チケット転売時に発生する出品・購入手数料(取引価格の5%/チケット価格8000円以上の場合)で利益を上げており、チケットが高額になるほど運営側の利益は大きい。今回、高額チケットが多数取引される嵐のツアーで、あえて手数料を無料にして利益を放棄することで、「人気チケットの高額転売でもうけている」との批判をかわしつつ、会員獲得の拡大を狙ったのかもしれない。
無効チケットは「個別に削除依頼を受け付けている」
ジャニーズ事務所は声明で、「転売サイトでのチケット転売は規約違反」とし、不正転売を確認した場合は「チケットを無効にする」とも表明。嵐のツアーチケットも、不正転売を確認したものは無効にしており、中にはチケットキャンプで転売対象とされたものも多く含まれていたという。
チケットキャンプ側は、公演主催者が無効化したチケットは「個別に削除依頼を受け付けている」と説明する。無効と分かっているチケットの転売を許せば、購入者が不利益を被ってしまうためだ。ジャニーズ事務所所属タレントの公演についても、以前から個別に削除依頼を受けてきており、その都度削除してきたと説明する。
ただ、削除依頼を行うには、主催者が不正転売チケットを個別に特定する必要があり、「このツアーの全チケットの転売を禁止してほしい」など、チケットを特定しない依頼は受けていないという。チケットキャンプはあくまで「消費者の自由な取引に対してプラットフォームを提供する」という立場。転売する人の中には「不正転売目的ではなく、チケットを購入したが行けなくなった人も含まれている」と考えているためという。
一方で「不当にチケットを買い占め、価格をつり上げて転売する行為は止めたい」とも。「公演主催者と話し合って連携したい。話し合いはまだうまく行っていないが……」。
チケキャンで買ったチケットが無効だったら……「返金する」
チケットキャンプで取引が成立した嵐ツアーのチケットも、公演日までにジャニーズ事務所が「不正転売」と認めれば、無効になる可能性がある。「チケットキャンプ上で購入したチケットが無効になり、入場できなかった場合は、返金に対応する」とチケットキャンプ側は説明している。
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