Apple、“お勧めできない”とされた「MacBook Pro」のバッテリーバグを数週間中に修正へ
「MacBook Pro」はバッテリー持続時間が不安定だとして“お勧めできない”としたConsumer Reportsに対し、Appleが原因は「Safari」ブラウザのキャッシュを無効にすると発生するバグのせいであり、バグを修正したと報告した。Consumer Reportsは再テストするとしている。
米国で大きな影響力を持つと言われる非営利の消費者団体が発行する情報誌「Consumer Reports」は1月10日(現地時間)、2016年末に発表した米Appleの「MacBook Pro」のレビューについて、Appleから評価を落とした原因であるバッテリー持続時間を改善する修正を行うとの連絡を受けたと発表した。
このレビューでConsumer Reportsは、MacBook Proのバッテリー持続時間がAppleの公式発表(約10時間)より極端に短い場合があったとし、MacBookシリーズとしては初めて“お勧めできない”と評価した。
これを受け、Appleのフィル・シラー上級副社長はバッテリーについて調査するとツイートした。
AppleはConsumer Reportsに送った声明文で「Consumer ReportsはMacBookシリーズのバッテリー持続時間のテストで、Webブラウザ「Safari」の隠れている開発者向け設定でブラウザのキャッシュ機能を無効にしていることを知った。(中略)また、このテストで明らかになったバグを修正した」と語ったという。
Appleは同日、Apple Beta Software Programでこのバグ修正を公開した。同社は向こう数週間中にソフトウェアアップデートでこの修正を一般ユーザー向けにも実施する計画だ。
Consumer ReportsはAppleの製品に限らず、PCのバッテリー持続時間テストの際はブラウザのキャッシュを無効にしている。だが、Appleは「これ(キャッシュを無効にすること)は一般ユーザーが使う設定ではなく、リアルな使い方を反映していない。(中略)Consumer Reportsに一般的な設定で再テストするよう頼んだところ、同誌は公式通りのバッテリー持続時間だったと報告した」と語った。
隠れている設定というのは、Safariの[環境設定]→[詳細設定]→「メニューバーに“開発”メニューを表示」にチェックを入れるとメニューバーに表示される[開発]メニューの「キャッシュを無効にする」のことだ。
Consumer Reportsはバグ修正後の端末で再度(ブラウザキャッシュを無効にした状態で)テストし、その結果を後日報告するとしている。
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