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世界最大の「mstdn.jp」を立ち上げた大学院生“ぬるかるさん”は一体何者か その素顔とドワンゴ入社が決まるまでの10日間に迫る(7/7 ページ)

ネット上で急速に注目を集める新SNS「Mastodon」(マストドン)。日本で注目を集める要因となった“ファーストインパクト”は、ある大学院生が自宅のサーバに立ち上げた日本向けインスタンスだった。彼の人生は約10日間で劇的に変わった。

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──「mstdn.jp」を今後どうしていきたいですか?

ぬるかる pixivがインスタンスを立てたときは「勝てるかな」と心配になった。対抗心はあるんですけどね。負けてられないという気持ちになるので。

──けものフレンズの話を聞いたときも思いましたが、負けず嫌いなところがある?

ぬるかる マストドン自体が広まってくれればいいなと。なるようになればいいと思っていました。でも勝てるんだったら、テキトーにして負けたくないです。(インスタンス同士が)競い合って伸びていく面もあると思います。pixivの人とそういう関係を築いていければと楽しみにしています。

 それと、僕のmstdn.jpはお試しぐらいで使ってもらうのがうれしいかなって思っています。僕自身が最初にマストドンを見て、どのサーバに入ればいいのかよく分からなかったからというのも、「mstdn.jp」を立てた理由の1つです。

ぬるかる母 最後が良ければいいんだから、これから頑張りなさいね。

ぬるかる父 助けてもらった人には恩返ししてさ。

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4月24日現在、mstdn.jpのユーザー数は8万3000人を超え、トゥート数は137万超え、接続されているインスタンスは1400を上回る。マストドンでは世界一の規模だ

──最後にご両親の心境も聞かせてください。

ぬるかる母 18歳になって高校を卒業してからぽんっと家を出て行ってしまったので、「何してんだか」って心配していましたが、「こうなったか……」という感じです。スーツを着ていくような会社には就職しないと自分では言ってましたけど。

ぬるかる サーバは昔から親が投資してくれていたからこそ。親のおかげだなと思っています。

ぬるかる母 まわりからも「一人っ子なんだから好きにさせてあげなさい」といわれていました。勉強しろなんて言ったことない。

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ぬるかるさんの本棚。「専門書の日本語訳版は情報が遅い、間違っていることがある」といった理由から、原著を読むことも普通だという

ぬるかる父 好きなことだけやらしときゃ、いやなことはやらないし。楽しくやっていければいい。

ぬるかる母 まだ親戚は知らないからびっくりするよー!

ぬるかる父 高校時代から、コミケやオフ会で「ぬるかる」って名刺を配ってたから、知ってる人は知ってるもんな。

ぬるかる母 そういうイベントに飛び込んで、1人で友達を作ってくるので、それはすごいねと話していました。

──大学院の休学についてはどうですか?

ぬるかる 大学では、話が大きくなってから指導教員に話をしに行ったので、何か言われるかなと思いましたが、優しく「どうするか」と相談を受けてくださったので頭が上がらないというか申し訳ないというか。

ぬるかる父 ほんとそうだよ。

ぬるかる母 最初は大学をやめるっていうから、やめる前に学校に相談しろと主人がメールを送った。やめるのは最終手段。せっかく推薦してもらって院に入って、これからというときにだったので、ある程度落ち着いて自分が勉強できるようになったらやればって。

ぬるかる父 教員の人がいろいろやってくれたんだから、顔をつぶすようなことをやるのはまずい。大学院だって推薦で入ったんだから。

ぬるかる 一応保険のために休学状態にしました。何かあったら戻るかなと。ドワンゴでうまくいって戻る必要がなくなったら、戻らないでしょう。

ぬるかる母 お金を出してくれたお婆ちゃん、かわいくて仕方ない孫が「大学やめたよ」って言ったらショックを受けるね。

──就職先については?

ぬるかる父 ドワンゴに入ってくれて、親としては安心しました。自宅サーバのうちに潰れてくれればこっちも安心したのですが(笑)。続けそうな雰囲気だったから心配していました。

ぬるかる母 起業するなんて言われたらどうしようかと。

ぬるかる さすがにあれで起業すると、絶対不安定になるからしたくなかったです。まわりの人も「自分で収益が絶対にあがるという自信が持てなかったら、絶対にやるな」とアドバイスしてくれました。

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思い入れがある「基礎Ruby on Rails」

ぬるかる母 息子のことを信用して、みなさんが手助けしてくれたり参加してくれたりしているようですが、そういう人たちを裏切るような子ではないと思っています。

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