Apple、「Business Chat」の開発者プレビュー公開
Appleが、企業が「メッセージ」アプリを通じてチャットでカスタマーサポートできるようにする「Business Chat」の開発者プレビューを公開した。企業が対応すれば、ユーザーはメッセージでのチャットで問い合わせだけでなく、「Apple Pay」を使った製品購入もできるようになる。
米Appleは6月9日(現地時間)、企業がカスタマーサービスで使えるチャットサービス「Business Chat」の開発者プレビュー版を公開した。
WWDC 2017の個別セッションで発表されたBusiness Chatは、「iOS 11」の「メッセージ」(iMessage)で使えるようになる。
例えば「Spotlight」の検索結果に表示される企業名の横にメッセージアイコンが表示され、ユーザーはこれをタップすることでメッセージアプリが起動し、その企業のサポート係とチャットできる。企業側がBusiness Chatを採用していれば、Siri、マップ、QRコードからもチャットを開始できる。
企業はメッセージアプリの拡張機能を追加することもできる。WWDCのセッションでは、iMessage上でユーザーが旅客機の座席を選べる機能が披露された。
iOS 11ではiMessage内で「Apple Pay」での決済が可能になるので、ユーザーはBusiness Chatでの製品購入もできる。例えば「AirPodsの在庫はありますか?」「あります。こちらでApple Payを使ってお買上げいただけます」という対話でApple Payのボタンが表示され、それをタップするだけでAirPodsが購入できる。
チャットサービスを使ったカスタマーサポート機能は、米Facebookの「Facebook Messenger」と「WhatsApp」、米Twitterの「Twitter」、米Microsoftの「Skype」などが先行しているが、Business ChatはiOSのプリインストールアプリを使い、Siriやマップ、Spotlightと連係する分、有利だろう。
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