「Pepperは、空を飛ぶまで進化させたい」――ロボットカンファレンス「SoftBank Robot World 2017」開幕
ソフトバンクロボティクス主催のロボットカンファレンス「SoftBank Robot World 2017」が開幕した。
ソフトバンクロボティクス主催のロボットカンファレンス「SoftBank Robot World 2017」(11月21〜22日)が開幕した。場所はベルサール汐留(東京都中央区)。2015年から過去3回開催した「Pepper World」を発展させ、今回は他のロボットにも焦点を当てたカンファレンスにする。
注目は、同社が17年から注力すると宣言している「移動ロボット」。11月20日、米Brainの自動運転技術(Brain OS)を搭載する搭乗式スクラバー(床洗浄機)を18年夏に日本で発売することを発表し、ソフトバンクロボティクスグループCEOの冨澤文秀社長は「ソフトバンクのロボット事業は第2フェーズに入った」と説明した。人とコミュニケーションする顔の部分に注力した第1世代のロボットPepperに続き、17年は「移動」に焦点を当て、「脚」を軸とするロボットに注力していくという。
一方、Pepperについては既に導入している2000社超の企業から利用ログを分析。そこから新たなサービスメニューを提案するなど、業務効率化の事例が多く上がってきているとした。冨澤社長によると、ソフトバンクグループの孫正義社長は「Pepperは永遠に進化する。空を飛ぶまで進化させたい」と語っていたという。
同社はシンギュラリティを迎えるにあたっての新しい成長エンジンとして「ロボット」「AI」(人工知能)、「IoT」(Internet of Things)を掲げる。ロボットは既に4〜6のアイデアがあり、そのうち実現性の高いものからリリースしていくという。
ソフトバンクの今井康之副社長(兼COO)は「ロボット大国日本は、15年産業用ロボットの稼働台数世界一だった。しかし、翌16年には中国に抜かれてしまった。まずはここで再び1位になりたい」と意気込みを語る。
25年の産業別労働人口を見ると、サービス分野で750万人の人手不足が予測されており、この分野でロボットにどう支援してもらうかを本気で考えている。今井副社長は「ソフトバンクの営業は今全面的にロボット事業に携わっており、キャリアや通信の営業にロボットの話を振って答えられない人がいたら、すぐに駆け付けたい」とした。
(太田智美)
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