クルマが人型ロボットに変身する「J-deite Quarter」、ロボットカンファレンスに登場
人型からクルマ型、クルマ型から人型に変形するロボットが展示ブースに登場した。
クルマが二足歩行ロボットに変身――そんなロボット「J-deite Quarter」(ジェイダイト・クォーター)が、ソフトバンクロボティクス主催のロボットカンファレンス「SoftBank Robot World 2017」(11月21〜22日/東京都中央区)の展示ブースに登場した。車のハンドルのようなコントローラーで操作すると、ロボットが歩いたり、クルマの形に変形したり、クルマの操縦ができたりする。
このロボットは、約1.3メートルの変形ロボットで、人型からクルマ型、クルマ型から人型への変形が可能。人型では二足歩行、クルマ型では車輪による走行で移動できる。
ロボットの制御システムにはアスラテック(東京・千代田区)の「V-Sido OS」(ブシドー・オーエス)が使用され、ハードウェアはBRAVE ROBOTICS(東京・江戸川区)が担当。このような変形ロボットはアニメなどでも見られるが、「実現には技術的な難しさがある」と、同ロボットのソフトウェアを担当したアスラテックの吉崎航さん(V-Sido OS開発者)は言う。
30センチほどの小さなロボットでも変形が難しいとされるロボットだが、実はアスラテックと三精テクノロジーズ(大阪・大阪市)、BRAVE ROBOTICSの3社は有限責任事業組合(LLP)を設立し、これの4メートルサイズ「J-deite RIDE」(ジェイダイト・ライド)を2017年中に完成予定(関連記事)だ。
しかし、このサイズで変形ができたからといって、他の大きさでも変形ができるかというとそうではない。デザインは同じでも、大きさが変わると歩いたときの衝撃やモーターの性能が変わるため、制御の仕方も変わってしまうという。ソフトウェアも通常であれば一から作り直さなければならないそうだ。
J-deiteの開発ではV-Sido OSを用いており、そのような違いを吸収。サイズが変わることで変化するシミュレーションやガタつき、モーターの種類が変わったときの通信方式の違いなども、設計だけ変えれば同じソフトウェアで小さいものから大きいものまで対応できるという。
巨大変形ロボット「J-deite RIDE」のリリースが楽しみだ。
(太田智美)
関連記事
- 車が人型に変身する搭乗型ロボット「J-deite RIDE」、2017年完成予定 変形所要時間は10秒以内を想定
デザインは『機動戦士ガンダム』のモビルスーツをデザインしたことで知られる大河原邦男さんが担当。 - 人型から車型に10秒以内に変形 3.5メートルのロボット「J-deite RIDE」開発へ
人型から車型に変形する巨大ロボット「J-deite RIDE」の開発がスタートした。2017年中の開発を目指す。 - 東京モーターショー2017:写真300枚で見る「東京モーターショー2017」
電気自動車(EV)のコンセプトカー、自動運転技術、AI(人工知能)搭載のクルマなど、「東京モーターショー2017」の出展内容を300枚の写真で見てみよう。 - 東京モーターショー2017:時速200キロ! バイク操縦するロボット「MOTOBOT」が超進化 「胃が痛かった」ヤマハが挑戦した3年間
二輪車を操縦するヤマハ発動機の人型ロボット「MOTOBOT Ver.2」が、時速約200キロでサーキット走行に成功。「胃が痛かった」――約3年間にわたる開発の舞台裏を聞いた。 - 「東京モーターショー2017」開幕 テクノロジーで変わる、クルマ社会の姿に熱視線
「第45回東京モーターショー2017」が一足早く、報道陣向けに公開された。 - 新連載・クルマの未来はIoT:最近のクルマ、顔つきが“反抗期”っぽいのはなぜ? カーデザインのプロに理由を聞いた
乗り物とIoTの関係性をITmedia NEWSの車好き記者・ヤマグチが追う新連載がスタート。第1回目はSNSで話題になった“カーデザインの反抗期”について専門家に聞いてみた。カーデザインは「女性の化粧」と関係があるらしい。それってどういうこと? - ノジマ店舗に「荷物運びロボット」試験導入 センサーで利用者を追尾
ノジマモール横須賀店(神奈川県横須賀市)で24〜26日に試験導入する。 - ホンダ子会社、米ボストン大と共同研究 AIの情報セキュリティ分野で
ユーザーが個人情報に基づくレコメンドサービスなどを使うときに、どの個人情報を提供するかをコントロールできる技術の開発を目指す。 - CES 2017:天井にドローン搭載 ベンツが提案する未来の宅配用コンセプトカー
独Mercedes-Benzが、宅配用バンのコンセプトモデルを出展。荷台はロボット、天井には配達用ドローンを搭載する。 - CES 2017:日産、自動運転車にNASAの技術応用 不測のトラブルでも遠隔操作で回避
完全自動運転車が不測の事態に見舞われても、遠隔操作で安全に走行させるシステム「SAM」を日産が発表。NASAの探査ロボットの技術を応用したという。 - 「AmazonやGoogleに負けられない」──KDDI、2017年にドローン事業化へ ゼンリンらと提携
2017年のドローン実用化に向けて、KDDIとプロドローン、ゼンリンが事業提携。「ネットワーク」「ドローン機体」「3次元地図データ」を結集し、いち早く商用化を目指す。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.