「気持ちに余裕ない」「生産性落ちた」 働き方改革に負の面も──エン・ジャパン調査
エン・ジャパンが、転職サイト「ミドルの転職」を利用する35歳以上のユーザーを対象に「働き方改革」に関する調査を実施した。
「気持ちの余裕がなくなっている」「生産性が低下した」──エン・ジャパンは11月27日、同社が運営する転職サイト「ミドルの転職」を利用する35歳以上のユーザーを対象に実施した「働き方改革」に関するアンケート調査の結果を発表した。長時間労働の改善などを目的とする「働き方改革」だが、マイナスの声も上がっているという。
全体の64%が「働き方改革に取り組んでいる」と回答し、そのうち36%が「積極的に促進されている」と答えた。具体的な取り組み内容は、「労働時間の削減目標の設定」(68%)が最多で、「休暇取得の推進」(57%)、「業務フローの見直しや改善」(37%)が続く。
勤務先企業が働き方改革に取り組んだことで、30%のユーザーが「職場への満足度が上がった」(上がった:5%、やや上がった:25%)と答え、17%が「下がった」(下がった:9%、やや下がった:8%)と回答。「どちらともいえない」は52%を占める。
満足度が上がった理由は、「休暇が取りやすくなった」(47%)、「労働時間が減少している」(46%)などが多く、休暇や労働時間の変化が満足度アップにつながっていることが分かる。
一方で満足度が下がった理由は、「気持ちの余裕がなくなっている」(60%)、「生産性が低下している」(45%)などが多く、働き方改革がもたらすデメリットもあるようだ。
働き方改革の中で注力して解決すべき課題は、「長時間労働の改善」が72%で他を大きく引き離して1位だった。アンケートでは「効率の悪い仕事、省略できる仕事が必ずあるはずなのにその精査をせず、無駄な労働時間がある」「会社の中での仕事時間は確かに減ったが、その分家でやる仕事時間が増えた」などの声が上がっている。
調査期間は9月29日〜10月31日。転職サイト「ミドルの転職」を利用する35歳以上のユーザー407人を対象に、インターネット調査を実施した。
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